0173話『夜はいいよね』
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………今の時間は丑三つ時。
その時間帯に四隻の艦娘が夜の海を航行していた。
旗艦は川内から見てわかる通り、夜の巡回をしているグループである。
随伴艦は今回は江風に嵐、磯風の三人だ。
「川内さーん! 今のところ異常はありませんね。今日はとても静かです」
随伴艦の嵐が川内にそう報告する。
「そう……わかった。もう少し巡回したら帰投するとしようか……」
「「「了解」」」
川内は基本夜戦バカと主に言われているけど巡回中はとても静かなのである。
まるで牙を研いでいる獣のようで、そんな川内の姿に憧れを持った一部の子達が川内の夜の巡回に付き合うのである。
そんな時だった。
「川内さん! 敵影確認しました! 数は四、主に水雷戦隊編成です」
江風がそう報告する。
それで川内はニタァ……と、少しだけ口を弧にして嗤う。
「よーし。それじゃちょうどこちらも四人。水雷戦隊魂を見せる時よ」
「いいだろう。この磯風、やる気を出させてもらおうか」
それで磯風が主砲を構えながら川内の指示を待つ。
同じように嵐と江風も主砲を構えて指示を待っていた。
その指示を出す川内はまだだまだだと心の奥で縛っている気持ちを解き放とうとしている。
そしてついにその時が来た。
「全員構え! よーく狙いなよ? 砲雷撃戦開始!!」
川内の命令によって主砲から火花が散り装填された弾丸が発射される。
それは全弾まずは敵水雷戦隊の前方方面へと着弾してそれに気づいた深海棲艦は慌てて迎撃態勢を取ろうとするが、
「迎撃態勢なンて……取らせるわけないじゃン?」
「嵐、江風……行ってきなさい!」
「うっす!」
「いっくぜぇ!」
川内の命令によって嵐と江風が突撃していく。
「磯風は私となにかイレギュラーが起きた時のために待機ね」
「うむ。委細承知した」
何も不満も漏らさずに磯風もそれに従う。
夜戦バカと言ってもなにも考えずに突撃するほど川内はバカではない。
過去に水雷戦隊の旗艦を務めていた経験からもっともいい最適解を出して各個に指示を出しているのだ。
そして突撃していった嵐と江風は瞬く間に敵深海棲艦を駆逐していた。
「ふいー……無事に殲滅できたな」
「気を抜くなよ江風。こういう時画一番危ないんだ」
「わーかってるって! 大丈夫、こういう時が一番危ないっていうのは川内さんに叩き込まれてるかンな」
江風はそう言って二ヒヒと笑う。
それに嵐も「ならいいんだ」と言って川内達のもとへと帰っていく。
「川内さん。深海棲艦の駆逐完了しました」
「うん、ご苦労様。今回は私が出張るほどじゃなかったかな……?」
「深海棲艦が深夜に活動しているのは稀ですからね」
「そうっすよ。だから川内さ
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