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転生も転移もしていない私が何故ファンタジーの世界で魔王と呼ばれる事になったのか。
ネコミミと劣化竜
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いた。

 それはつまり、個体によってはネコミミ少女が言っていた様に、ちょっとした家事の小道具程度にしか利用出来ない者も居れば、軍事兵器並みの現象を発現させる事も可能な者も存在する事になる。


 そして私は、脳細胞と言うか、脳自体量子電脳化していた事により病原体に頭の中身を食われる事なく生き残った、だけでは無く……


「あんな大きな火の魔法は、アリィ初めて見ました!」


 フォルテの予想した論理と、目の前で火を発生させる少女に興味を惹かれ、取り敢えず私は彼女に火の魔法とやらの使い方を聞いた。

 それは単純に『力一杯』火を点けるイメージをしつつ指パッチンという、何とも表現に困る物であったが、それで少女は火を発生させているのは確かだと、私もそれに習い試してみた訳だ。


 で、結局それはどうなったかと言うと、一瞬だが確かに火は発生した。

 しかしそれで出た物は少女が点した種火レベルの小さな火では無く、一瞬で目の前の草むらを数メートル単位で灰にする程の火球であった。


 少女は爆発的に発生した空気の層に吹き飛ばされてしまい、私には着ていた白衣が燃え尽き再びネイキッド状態になるという被害を出し、マッパのままその非現実的な光景に唖然としてしまったというのが昨夜の出来事であった。


「う……うむ、焼けどや怪我が無くて何よりだった」

「はい、魔王様の後ろに控えさせて頂いたお陰でアリィは無事でした」

「しかし私の白衣は燃え尽きたのに、体に影響が無いとは……」


 魔法というこの世界で最大の化学反応、それは宿主が反応させた物理法則は、原則的に本人には影響しない物であるという。

 切っ掛けを与えて後は反応を連鎖させる類の化学反応か何かと予想した私の考えは、この時点で何か致命的に抜けている事が判明した。

 元々医療工学系の知識しか持ち合わせていない私にはこの辺りの物理的反応は門外漢だ、故に原理に思い当たる節は無く、この先魔法という物を使用する際は細心の注意を払いつつ、色々試していくしか無いのだろう。


「あ……あの魔王様」

「うむ、何だ少女よ」

「お食事が出来ました」

「そうか、何から何まで任せてすまないな」

「へうっ、そ……そんな勿体無いお言葉、アリィには身に余る光栄です」


『便宜上魔王って事で誤魔化したけど、あんな光景目の前で起こしたらそりゃ誰だって平伏しちゃうよねぇ』

 くっ、仕方なかろう、私もまさかあんな事になるとは思ってなかったのだからな。

『よっぽど君は細菌との親和性が高いんだろうね、まぁ元々人を喰らうのを目的とした細菌だし、変異した後でも君という人間に惹かれて集まってくると考えれば不自然な事じゃないと思うんだけど?』

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