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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十八話 限界
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 自分の目の前に現れた、真っ黒な壁と、蛇のように両腕両足に巻きつく真っ黒な鎖のようなもの。

 それが俺の動きを制限したのを、落下する中で気づいた。

 そんな俺に追い打ちをかけるように、アイツは剣を横に振り下げながら、こちらに向かって勢いよく落下する。

 刀身は未だにレーヴァテインとなっており、蜃気楼のように周囲の景色を歪ませていた。

 その勢いには、やはり魔払ノ鏡しかない。

 俺は落下の勢いを耐えながら、上半身を捻って刀を後ろに振り絞る。

 そして先ほどと同じことにならないよう、魔力で身体強化を行う。

「っ!?」

 だけど、魔力の流れが悪い。

 身体強化に必要な魔力が流れない。

 胸の奥にある魔力の源、リンカーコアから流れてくるはずの魔力は、しかし何かが詰まって塞き止められたかのようにまったくと言っていいほど魔力が流れない。

 これじゃ、反撃しきれない。

「くっそっ!!」

 不十分な身体強化の状態で、俺は迫る刃に刀を振るう。

 俺は手段を変えた。

 魔払ノ鏡は敵の攻撃を真正面に受けなければ発動できない剣技だ。

 だけど、今の俺に真正面で受けきる力はない。

 なので真正面から受けるのをやめ、刀身の横――――剣の峰に刃をぶつけ、その勢いで俺の身体を自分の力で弾き飛ばして距離をとった。

「うっ……っく!」

 即興で何とか成功したが完璧とは言えず、両手は僅かに受けたダメージで痛み、痺れる。

 しかも先ほどから魔力の循環、力の循環は悪い。

 全ては身体を縛る黒い鎖。

「何だ……これ」

《マスター、どうかしましたか?》

「アマネ……」

 心配になったのか、アマネが声をかけてきた。

 俺はアイツから離れるように距離を取りながらアマネと会話をとる。

「アマネ、これが何なのか分かるか?」

 俺は両腕と両足を無理やり持ち上げて、俺を縛る鎖のようなものを見せる。

《マスター。 これ、とは?》

「え?」

《私には何も見えませんが?》

「え……いや、これだよ。 この鎖!」

 気づかないのか、アマネは何も見えないというが、俺は両腕と両足を振り上げて主張させる。

 俺を縛るものを。

 この戦いを邪魔するものを。

《……申し訳ございません。 私には何も見えません》

「な……っ!?」

 驚きで言葉を失う。

 俺にははっきり見える、俺の動きを封じる黒の鎖のようなもの。

 だけどデバイスにはそれを見ることはできない。

 アイツの動き的にも、これはアイツの使った魔法ではないだろう。

 ならばこれは一体……!?

「余所見してんじゃねぇよ
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