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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十七話 決戦
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「天流・第参翔、魔払ノ鏡っ!」

 一撃を受け止めて回転し、循環させた力と回転の力を合わせて放つ。

「何度も同じ手は喰らわねぇぜぇ!」

 対してアイツは振り下ろしと振り上げの二回の動作を一瞬で、ほぼ同時と言える速度で行った。

(これは……燕返し!?)

 倍の攻撃で返ってくるならば、こちらも二回分の攻撃をぶつける。

 それがアイツの反撃法のようで、アイツの狙い通りに俺の放った技は衝突してもアイツを弾き飛ばすことはできなかった。

「どうしたぁ!? 終わりかぁ!?」

「んなわけでないだろっ!!」

 挑発的な口調のアイツに、俺は怒声で返しながら再度刀を振るう。

 冷静さは失ってない。

 やることは変わらないんだ。

 斬る。

 ただそれだけを目的に刃を振るっていく。

 俺は速度でアイツを斬るために。

 アイツは力で俺を斬るために。

 持ちうる全てを尽くして刃をぶつけ合う。

 誰が見ても分かる。

 これは勝ち負けの戦いじゃない。

 生きるか死ぬかの殺し合いであると。

 逃げることは許されない。

 退けば恥じ多き死を迎え、臆せば弱者としての死を迎える。

 勝つためには前にでろ。

 退かず、臆さず、勇気と覚悟を持って前にでろ。

 そうして俺たちは死と隣り合わせの剣戟を繰り広げていく。

 この光景を見ているなのはたちは、一体何を思っているだろう?

 ハラハラしているのかな。

 また、俺が無茶して戦っているから。

 無茶しないでって言ってるのに、人の話を聞いてなかったみたいに無茶をして。

 傷だらけで、ボロボロで。

 そんな姿を見せてばかりな俺を、きっと心配したり呆れてたりするのだろう。

 だけど、みんなには申し訳ないけど、この戦いは最後まで見届けて欲しい。

 俺の持てる全ての魔法と剣技を尽くして戦う、その姿を。

 なのはたちに、この全てを盗んでもらいたい。

 これからもっと高みを目指せるあいつらに、凡人の全てを奪って、より先に進んで欲しい。

 そのために俺は、全てを尽くす。

 

*****



「すごい……」

「ええ。 とても、凄まじい」

 そう感嘆の声をつぶやくのは、二人の戦いを中継カメラから映し出されたモニターで見つめるなのはと雪鳴だった。

 他にも柚那、フェイト、ユーノ、アルフ、リンディやケイジの姿まであった。

 クロノは部隊の編成でこの場を外しているが、デバイスから映し出されるモニターでこの戦いを見届けているだろう。

「あの野郎ども、ここにきて更に成長してやがるな」

 ケイジはタバコを吸うことすら
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