暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十七話 決戦
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
な人たちばかりだ。

 なのはも、フェイトも、雪鳴も、柚那も、そして姉さんも。

 みんなが才能に溢れていた。

 俺はその中で凡人で、凡人だからこそたくさん努力して『天流』と言う技を生み出した。

 劣等感は拭えない。

 だけど、だからこそ挑みたい。
 
 最強になる可能性を秘めた天才に。

 凡人だからこそ超えたい頂きを目指して。

 だからこれは、俺自身の挑戦だ。

「天流・第肆翔(だいよんしょう)――――」

 刹那で生まれた隙間に上半身をひねり、腰を落として抜刀術の構えをとる。

 鞘に完全に収まった音から、一瞬にして体を回転させるほどの勢いで抜刀する。

鳳凰返(ほうおうがえ)しっ!」

 最初の振り下ろしから瞬時に切り返して更に二撃目を放つ技を『燕返し』と言う。

 それを魔力による身体強化と、天流で培った速度を持って燕返しを更に倍に増やした、神速の四つ同時の剣閃を放つ。

 神話レベルの奥義に、達人レベルの奥義で挑む。

 例えどれだけ敵が強くても、

 例え神話を模した魔法を用いても、

 俺たちが人間であるならば、勝負はどっちに転ぶか分からない。

「ぐぉおおおおおおっ!!」

「おらぁああああああっ!!」

 二人の絶叫と共にぶつかり合い、俺たちを中心に巨大な爆発と衝撃波が発生し、包み込まれる。

「まだ……だぁっ!」

「だろう、なぁっ!」

 爆発の衝撃に耐え、爆風の中で俺たちは更に激しい剣戟を繰り広げた。

 今の一撃をもってしても、俺たちは倒れない。

 爆風の中でレーヴァテインを維持した状態で振り続けるアイツの刃を、俺は鳳凰返しを連続で放ち続けることで迎え撃つ。

 負けられない。

 相手が強くなるなら、俺だって追いかければいい。

 攻撃と防御の交錯はなく、そこにあるのは攻撃と攻撃のぶつかり合い。

 ようは殴り合いだ。

(アマネ、無茶させてごめん。 だけど、最後までもってくれよっ!)

 いつだってそうだ。

 こうして戦うことができるのは、いつだって愛機が頑張ってくれるからだ。

 俺の無茶はアマネ無しでは叶わなかった。

 こうして誰かのために戦い続けることなんてできなかったんだ。

 そのことに念話で謝罪をする。

《謝罪はいりません。 私は誓います。 マスターが勝利を手にするまで、この身は尽きることなく貴方の道を切り開く刃となることを》

 アマネは弱音を漏らさず、むしろを俺の背中を押してくれる。

 だから俺は力強く頷く。

(ありがとう、アマネ!)

 俺と一緒に戦ってくれる頼もしい相棒がいる。
 
 だから俺は躊躇わず、渾身の一撃を放つ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ