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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十七話 決戦
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炎。
それは意志を持ったようにアイツの首から下を包み込み、俺の放った全ての弾丸を防いだ。
アイツを守る、鎧のように。
「黒炎の鎧。 迫る全てを燃やし破壊し、触れた全てを燃やし尽くす」
「絶対防御の鎧ってわけか?」
俺の問いに笑みとともに頷くと、アイツの剣は再び黒炎を纏って炎の剣へと変化させる。
初見から気づいていたことだが、どうやらアイツは魔力変換資質『炎熱』の高い適合率を持っているらしい。
魔力は出せば全て炎になり、高い火力は文字通り全てを焼き尽くす。
そこまでの炎熱を出せる魔導師は数少ない。
アイツのそれは、間違いなく天賦の才の領域だ。
もっとも、それを正しいことに使えていればの話だが。
「まだまだ行くぜっ!」
声を上げるアイツの周囲に無数の炎の球体が生まれ、俺めがけて放たれた。
対して俺は再び無数の魔力弾を生み出し、無数の火球に向けて放った。
衝突する二種にして無数の弾丸。
激しい爆発と轟音が広がり、無数の爆撃が起こっていると錯覚してしまいそうだ。
だけど現実は俺とアイツ、二人の魔法の衝突。
撃ち尽くした俺たちを白煙が包み込み、互いの居場所が肉眼で捉えられなくなる。
不意打ちを避けるために俺は瞬時に後ろへ飛び、爆風の中から脱出する。
「そこだっ!」
そんな俺を待ち伏せていたようで、真上から黒炎の刃を握ったアイツが現れる。
大気を強引に切り裂きながら、その刃はいかなる手段を切り裂かんと迫る。
まさか俺が出てくる場所を予測して行動していたとは思わず、俺は回避行動ができない。
だが、これで負けるつもりはない。
「天流・第参翔」
銃から刀に切り替え、身体をコマのように回転させながら横薙ぎに振るう。
「ぐあぁっ!?」
衝突の瞬間、耳を押さえたくなるほどの爆発音が衝突音として響き渡り、アイツの身体が大きく弾き飛ばされる。
「
魔払
(
まふつの
)
ノ
鏡
(
かがみ
)
ッ!」」
ふんばろうと両足に魔力を込めて空中を足場にしているようだが、それに反して体は雲の上まで飛んでいった。
当然だ。
アイツが飛んでいったのは他でもない、アイツ自身の力のせいだから。
「っく……それだよ」
何とか踏ん張りきったアイツの眼光はより鋭くなり、忌々しい表情でこちらを睨みつける。
「俺をぶっ飛ばしたその技。 ようやく理解したぜ」
流石に二度も使ってしまっては、この技のカラクリに気づかれてしまうのは当然だ。
俺はため息を漏らしながらアイツの答えを聞く。
「テメェがどれだけ強かろうと、俺をぶっ飛ばす力を一瞬で出すなんて不可能だ。 …
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