暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第39話 『斯斯然然』
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「ありがとうございます。シスター・シャッハ・ヌエラ様、騎士・カリム・グラシア様お身体ご自愛ください」


 それでは、と目線を下げ回線を切ろうとした。


「ま、待ってください!」
「はい」
「あの、それは謝罪を受け取れないということでしょうか?」


 謝罪を受け取れないくらい立腹していると彼に対して抱いたのだろう。一本気のあるシャッハは食い下がる。


「いえ、受け取れないということではなく必要がないと申し上げたのです」
「どうしてですか?」
「……どうして?」


 コタロウは眉根を寄せ、


「貴女ご自身がご自分の信念に基づいて行動なさったことを、少なくとも私は把握したと考えています。ですので、謝罪を受け取る受け取らないのではなく、必要が無いと申し上げました」
『……』


 カリムは目を細めただけであったが、シャッハはこれ以上自分を責めることを憚られてしまい、声は出さずに口をぱくぱくと動かすことしかできなくなってしまった。
 それをみてはやてたちはクロノに念話で語りかける。


[こうなるんよ]
[こういうのもなんだけど私たちのまわりってさ、一致するじゃない? 仕事と信念?]
[コタロウさんは勘違いもあるけど、受け取るときは本当に正直に受け取るから……]
[特にシスター・シャッハの場合は]
[……修道女だから信念と行動が一致する]


 からこうなった。とシャッハの心中を察した。クロノも今まで誰も責めることができず、かといって自分にも非があるわけではない。ただ、心だけが落ち着かない気持ちになることは何度か経験があった。
 ただ、クロノもカリムも彼の態度をみて、多少の興味を抱いたのは間違いない。


「コタロウ・カギネ様、多大なる思慮のほどありがとうございます。また機会があるときにでもご連絡をしても構いませんか?」
「はい。カリム・グラシア様」
「いえ。それと様は必要ございません」
「わかりました、ミズ・カリム。それでは」


 と彼は通信を切る。
 しばらくの無言の空気ののち、


「さて、シャッハ?」
「……はい」
「皆さんのお見送りを」
「……はい」


 後で何かあるのだろうかわからないが、何も言わずに全員で通路にでて歩き出した。


「そうそう、コタロウさんな」
「ん」
「クロノくんより年上なんよ?」
「……は?」


 目を丸くしてはやてを見る。前を歩いているカリム、シャッハもピクリと反応した。


「エイミィさんと同い年だね」
「俺のひとつ上?」
「うん」


 人生経験云々から判断するわけではないが、クロノからすれば自分より上とは思わなかったようだ。


「はやて、彼の階級は
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