暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第39話 『斯斯然然』
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の目にさらすのは、なによりその罪に対する自覚をさせ羞恥ものとであってはならないためである。


「実は、()()くということがありまして……」
「……それで」


 起を話し、


「それで、然然(しかじか)になりまして……」
「……それで?」


 承になり、


「そのあと、加えて是是(これこれ)でありまして……」
「な……それで」
『……』


 転でカリムは笑顔のまま片方の眉が少し震えると同時に、なのはたちは「またか」と肩を落とし、


「それで、其其と……」
『……』


 結になると誰も何も言わなかった。


 シャッハはそれからは口を開かず、カリムが口を開くのを待った。


(……コタロウ・カギネ? どこかで聞いた……あ、エイミィがこの前言ってたな)


 クロノはこの間、妻であるエイミィと話したときに話題に出てきたことを思い出した。恩人であることは違いないが、どうも一見では判断のつきづらい雰囲気と性格の持ち主であるらしい。


[フェイト]
[ん、なに、お兄ちゃん]


 全員がカリムの眉を寄せて無言でいるあいだに、彼はフェイトに念話を送る。一応なのは、はやてにも聞こえるように。


[エイミィから彼のことは聞いていたが、本当にそういうことを起こす人なのか?]


 先ほどのシャッハの会話から彼は冤罪で逮捕されるも抵抗することなく、釈放よりも逮捕優先によって長時間の拘束でも怒ることない人間らしい。人によってはそれでも文句を言わないかもしれないが、画面越しの彼がまるで写真のように微動だにしないことに違和感を感じないわけにはいかなかった。


[えーと、うん]
[こんなの、しょっちゅうなんよ]
[にゃはは、話すと結構長くなるんだけど……]


 ある程度耐性のできている三人にとっては当たり前のこと過ぎて小事であるらしい。


[この人がねぇ]
[多分、見てればわかるよ]
[うん]
[せやな]


 自然と彼を見定めようとするのは提督という職業柄であるからだろう。少し顎を上げて彼を見直そうとすると三人は付け加えた。
 そうしてやっと、カリムが口を開いた。


「コタロウ・カギネ様、通信上で申し訳ありません。この度はうちのものが大変失礼をいたしました。許されるのであればカギネ様の時間をお借りし、必ず謝罪を含めてご挨拶にお伺いしたいと存じます」


 深々と頭を下げた。


「お顔をお上げになってください」


 コタロウの言葉に従いカリムは顔を上げる。


「詳細、把握いたしました。そして、謝罪のご挨拶は必要ございません」


 表情を特に変えることはなく、

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