暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第39話 『斯斯然然』
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。昨日で最後だったんだよ」
『……』


 その言葉は隊長陣にも耳に入ったが理解が及ばなかった。
 頭に言葉がやっと浸透してくると、ぎ、ぎ、ぎとまるで錆付いた機械のようにゆっくりとスバルたちがなのはのほうを向く。
 なのはは新人たちに視線を浴びたのが理由でなく、彼女もまた、というよりフェイトにヴィータやシャマルも疑問がとけず六課部隊長はやてのほうを向くと、


「……」


 はやては血の気が引いて青ざめていた。


「はやて、たいちょう?」
「やがみ、にさ?」


 なのはとフェイトに呼ばれても聞こえているのかいないのか判断はつかない。


「リ、イ、ン?」やっと口を開く。
「はいです?」
「……コタロウさんの書類――」
「え、えーとですね、出向期限は三ヶ月で、延長する場合は事前に申請が必要みたいです」
「はやて、ちゃん?」


 リインは言われる前に電子データを出力し、シャマルは聞く。
 全員がまさかという顔ではやてをみた。だが、責めることができないのは上官ということだけが理由でなく、ここ数日の忙しさは誰が見ても明らかであったこともある。


「で、でも! 昨日までなら挨拶くらいしてもよかったですよね。まったくネコさんったら〜」
『――っ!!』


 スバルがからかう程度にコタロウを責めてみると、隊長陣がビクリと肩を震わせた。


「……あれ?」
「いやな、スバル。コタロウさん昨日挨拶にいったんだよ」
「……え」
『……』
「あとは、察しろ」
「あ、ああ……」


 隊長たちはいつもならきっと聞き入れただろう。しかし忙しさゆえに後回しにしたことにスバルを含め新人たち全員が気づいた。


「んで、お前らに言わなかったのは多分、隊長(づた)いでいうなり、挨拶させてもらえたり。そういう指示を仰ぐことも含んでたんじゃねぇかな」
「……な、るほど」


 本当に知らなかったんだな。と昨日自分だけ彼を送別したことはヴァイスは口には出さなかった。






「“直接ご依頼する場合は工機課まで”とも書いてあるです」


 臨時査察は今日から二日間午後の時間を利用し行われる。緊張感はあるが、それよりはやてはコタロウの出向期間を延長してしないことにどうしようもない焦りを覚えていた。






△▽△▽△▽△▽△▽






「あ、そういえば、そろそろだな」
「どうしたの、お父さん?」


 ゲンヤ・ナカジマはお茶をすすりながら部隊長室の壁にかかるカレンダーにそれとなく視線を上げた。


「ギンガ、覚えてるか? 八神に機械士のこと聞かれた後、『言い忘れ』たことがあるって言ったのを」
「え、あー、
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