暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第39話 『斯斯然然』
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「ネーコさんっ」


 はやてから説明を受け、そこにいた全員が気がつく間に歩く順番が入れ替わり、コタロウがいつの間にか先頭になっていた。
 そして、トレーに食事を載せたコタロウが窓際の二人席に着き「いただきます」を言おうとしたところ、スバルに呼び止められた。


「はい」
「こっちで一緒に食べましょー」


 新人たちの座る席へと誘われる。
 ぽんぽんと席を叩かれスバルの隣にトレーを置き座る。


「いただ――」
「ネコさん」


 彼女は大きな目をぱちくりさせて彼を覗き込んできた。


「はい」


 食事を遮られるくらいの近さなので、食べる動作を止めるため顔を上げてスバルと距離を取る。彼女は大きな瞳で単純な興味を示したときに見せる無表情さでコタロウを見ていた。
 ティアナやエリオ、キャロも彼を見るが、本人は気づいてないのか気にしていないのか目線をスバルから離さなずにいる。


「私を呼んでみてください」
「ナカジマ二等陸士」


 それほど疑問を持たなかったので即座に答えた。


『......』


 新人たちは無言のままじっとコタロウをみる。


「なんでですかぁ?」


 そして、一番に表情を崩したのは聞いた本人スバルであった。子どもが駄々をこねるように脱力のある声だ。


「何故、とは?」
「どうしてリイン曹長はリイン曹長で、私はナカジマ二等陸士なんですかぁ」
「ナカジマ二等陸士はリイン曹長ではありません」


 それは当たり前すぎる正論であるが、彼女からしてみれば不満が増えた。別テーブルでは、


「えへへへへ〜。秘密です〜」


 と、ヴィータ、シャマルに自慢と秘密を交互に表している姿ががみえる。シグナムとなのはが共に席を立ち、ヴィータたちと一緒にいるはやてとフェイトに「じゃあ、いってくるね」と会釈をすると、新人たちのところに近づいてきた。


「コタロウさん」
「はい。高町一等空尉」


 席を立ち敬礼をする彼を見て、眉を寄せて「はぁ」と息を漏らし「いってきますね」とだけ言うと、食堂を出ていった。そのときシグナムはコタロウと二言三言話をした。


「お気をつけて、いってらっしゃいませ」


 コタロウは彼女の背中に送り出す言葉を述べ席につく。


「では、いただ――」
「ネコさん」
「はい」


 不満げな顔をしているスバルの横にいるティアナが今度は彼の食事を止めた。


「別にな……かよくしようとは思っていませんけど……ここでもう長く一緒にいるじゃないですか」
「そうですね」
「私の、いえ、周りの人たちを名前(ファーストネーム)で呼んでもいいんじゃな
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