暁 〜小説投稿サイト〜
Unoffici@l Glory
1st season
7th night
[3/4]

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々を送る。

「もっと早く連絡すればよかったな。アンタがこの世界に首突っ込むとは思わなかったよ」
「私も予想外さ。まさかこんなにのめりこんでしまうなんてな」
「勝負事そのものには興味ないなんて抜かしてた癖によ。ま、ここはある意味野獣共がのさばるサファリパークには違いねぇから、サバイバル好きなアンタにはピッタリかもな」
「勝たなくてもいい、生き残れというのがルールだし、私の性に合っていたのかも知れないな」

 ガレージの中には、「金色の不死鳥」が駆るこの店のデモカー、黄色のR8が悠然と佇む。ボディのあちこちには提供されたパーツのメーカーステッカーが所狭しと張られてはいるが、その中で異彩を放つのはこのショップのステッカーだろう。黒い全身タイツを纏いデフォルメされた金髪美少女が、ショップの名前が入ったボードを抱えて支えるといったデザインなのだから。

「それに、オカルト大好きなアンタのことだ。例の『Dの遺産』が気になったんじゃねえかと思ってな」
「否定はしない。だが、ああいうのはあくまで脳内のエンターテインメントとして楽しむものだろう?」
「言ってることはわからなくもないが、変に理屈臭いのも変わらねぇな。アンタは」

 甘い香りのする黒いタバコをふかしながら、メガネの青年は返答せず苦笑で返した。

「まぁ、何かの縁だ。うちに預けてくれるなら、フルメンテナンスと多少のチューニングはやっとくよ。工賃代わりにうちの看板背負ってもらうけどね」
「それくらいならお安い御用さ。けどこの店、スーパーカー専門じゃないのかい?」
「最初は金持ちから営業資金ふんだくってやるつもりだったからそうだったんだがね。あのど変態、 何をトチ狂ったか、C1最速の黒のセリカぶっちぎる車作りたいとかぬかしやがってな。その方向の客も呼び込もうって言い出しやがった」
「車もそうだけどそれ以上に腕とドライバーだよ、アレに勝つには」
「会えるかどうかもわからねぇしな。ひょっとしたらアイツ、チギられたのかも知れねぇ」
「確かに。そうでなきゃターゲットにはしないだろうしな」

 彼らの話にある黒いセリカとは、「気紛れな旅人」という正体不明のドライバーだ。ZZTセリカというFFスポーツとしてライトチューンドベースには適した車ではあるが、決して出力を稼げるわけではない。必然コーナリングスピードで勝負しなくてはならず、なおかつストップアンドゴーの繰り返しで軽やかな加速勝負が必要なC1だからこそ、現在最速でいられるとのこと。かつてはC2レインボーブリッジ周回ステージにて最速を誇っていた赤いFD3Sとも、C1においては互角の戦いだったという。

「まぁ確かに、アレと戦うなら私の車は的確かも知れないな」
「せっかくDC2なんだ。横浜仕様にしとくかい?」
「やめてくれ、私は
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