第5章:幽世と魔導師
第125話「蘇る災厄」
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貫する。
ティーダが選んだ選択。それは敵の攻撃を利用して一気に距離を詰める事。
魔力弾を放つ余裕がない状況では、最善手と呼べる手だった。
「何ッ!?」
「させるかぁっ!!」
転移しようとした男は、飛んできたティーダに動揺する。
…しかして、その転移魔法は…。
「(間に合わな―――)」
……成功、してしまった。
それも、ティーダを巻き込む形で。
―――パリン!
「っ……!?…お兄ちゃん……?」
そのほぼ同時刻。ティーダの自宅にて。
置いてあったティーダのコップが落ちて割れた。
「……………」
それは、まさに不吉の予兆を表すかのようで...。
妹であるティアナは、底知れぬ不安に襲われた。
「っ……!」
「く、くそ…!」
転移が完了し、ティーダと男は投げ出される。
すぐさま体勢を立て直し、対峙する。
「(俺の乱入で、転送先がずれたのか…?森の中、人気はないようだが…)」
「……!」
「動くな!」
動き出そうとした男に対し、ティーダはデバイスを突きつける。
だが、若干距離が遠い。膠着状態に陥る。
「(バインド…魔力弾…ダメだ。正面からだと気づかれる上に躱される可能性が高い…!後手に回るか…いや、しかし…!)」
どうでるべきか思考する。…それがいけなかった。
本来ならば、相手に考える暇を与えずに捕縛に掛かるべきだった。
「こうなったら…!」
「っ、やめろ!」
男は破れかぶれに手に持っていた黒い立方体のロストロギアを掲げる。
咄嗟に魔力弾を放ち、バインドを仕掛けるが…一歩遅かった。
「(ロストロギアの効果の詳細は不明…。何が起きると言うんだ…!?)」
効果がわからないロストロギア。
それが発動したため、ティーダは警戒を最大まで高める。
―――ズンッ……!
「っ………!?」
地響きかと勘違いするような重圧が駆け抜ける。
魂から震えるかと思えるその重圧に、ティーダもロストロギアを発動させた男すらも震えあがり、同時に後悔した。この状況になった事に。
「何…が……!?」
平静を保とうとしたティーダが状況を確認しようと視線を巡らせる。
そして、原因であろう存在を見つける。
「…なんだ、これは……?」
それは、黒と紫が混ざったような色合いの“穴”だった。
そこから瘴気らしきものが大量に漏れ出ている。
…そして………。
「っ………!?」
その“穴”
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