侍娘-クリスティナ-part1/侍のお嬢様
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のの、今は取り戻したはずの力をコントロールできず、変身したいと思うときに変身することができない。
「でも、ここで何の結果も無いってことだけはごめんだ。もう一人のウルトラマンが戦えないって話だし」
『黒崎さん、か…』
ハルナたちも、シュウの身に起きたことは聞き及んでいる。そして、彼の壮絶な過去も…。あまり顔を会わせたことはなかったが、サイトと同じウルトラマンで、何度も彼の危機を救った頼もしい存在。サイトを想う立場からすると羨ましいと思った。
「…ま、どちらにせよ今は、その彼が戦うことができない状態。だからあたしたちはその穴を埋めるためにも、自在に変身する練習を続ける。今あたしたちがやるべきなのはそれだ」
『…うん、私たちが戦いで平賀君たちの役に立つには、やっぱりウルトラマンの力が必要になってくる。なんとしても、会得しよう!』
「いわれなくたってやってやるさ!」
表と裏の人格で互いに言葉を交し合って励まし、再び目を閉じて変身の姿勢をとるアキナ。だが、その次も、その次も何の変化も見られなかった。
「やっぱりだめか…これで50回目の失敗…」
『そう簡単にうまくいくとは思ってなかったけど、ここまでだと自信無くなっちゃうね…』
アキナと、彼女と人格交代し体の奥から見ていたハルナが順に口を開く。
「…ハルナ、あたしちょっと疲れたから奥に引っ込むわ」
『そうね、そろそろ休憩にしよっか』
アキナが人格交代の意思を表すと、彼女のポニーテールが解かれ、目つきも穏やかなものに代わる。本来の人格であるハルナと入れ替わったのだ。
「…ふぅ」
少し疲労を感じ、ハルナはため息を漏らす。ふと、授業終了の鐘が校内に響いた。授業が終わった頃だろうか?外を眺めて様子を見てみた。校舎入り口から生徒たちが出てくる。
そろそろルイズも戻ってくる頃だろう。
「ただいま」
「あ、ルイズさん、お帰りなさい」
そう思っているうちにルイズが戻ってきた。
「今日はどうだったの?」
「…教室が妙に広く感じたわ」
ハルナからの質問に、少し伏目がちにルイズはそう答えた。
ルイズはこの日修復作業を手伝っていたが、生徒たちの人数が、かつての半数以下に少なくなっていたことに気づいた。レコンキスタに占領されたアルビオンとの戦争もあるかもしれない。だがそれ以上に、度重なる怪獣・星人・闇の巨人による災害や、で生徒たちにも死者が現れ、その恐怖で実家に戻ってこない生徒たちが続出したのが大きな要因だ。かろうじて学院に来ている生徒たちは、大半が加盟を優先している実家の命令もあるのだろう。怪獣だろうがなんだろうが、敵に後ろを見せるのは貴族ではない。かつて無能という意味で『ゼロ』と呼ばれていた頃のルイズの持論と同じように、従来のハルケギニア貴族のプライドから来る無謀な根性論で、自分の子供を精神面で追
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