侍娘-クリスティナ-part1/侍のお嬢様
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学院にいたところで危ない目に合わされるだけと考える生徒が続出しているのだ。そんな時期に、まさかの編入生?それ以前にハルケギニアの現在の時期は、実を言うと秋を過ぎて冬にさしかかろうとしている時期。転校生が来るような時期ではない。
「…この国で起きている事件やレコンキスタの侵攻についても、アンリエッタから聞いている。普通では考えられないことかもしれないが、だからこそ私はここに来たんだ」
「だからこそ?」
「これまでこの国を中心におきてきた事件の中心にいる怪獣という存在…いかなるドラゴンやモンスターよりも凶悪らしいな。だが、かといってそれに怯え、噂のウルトラマンとやらに頼るあまり、強くなる努力さえも疎かにしてしまえば、それこそいずれ自分たちが侵略者共から命を奪われることに繋がってしまうと私は思うのだ。だから、私は祖国とこのトリステインの外交をかねてこの学院を、かつて多くの生徒たちで賑わっていた頃のようにできれば、と思っている」
「なるほど…」
確かに、彼女の言うことは正しい。ウルトラマンという立場から考えても、はっきりいって人間たちには、正しい方向に強くなってくれたほうが助かる。人間の立場でありながら、ただウルトラマンに助けられる身であることに甘んじるつもりはないというクリスの心構えに関心を持った。
結構気さくな性格らしい。貴族だからって偉ぶるばかりの連中とは違い、好感も持てた。
「そうだ、サイト。今から学院の案内を頼む」
「え…今から!?」
「せっかく剣を交え、友になれたのだ。さぁ、いくぞ!」
いつの間にか友達と思ってくれていたのはかまわないし、寧ろ嬉しいのだが、強引さは変わらないらしい。
サイトは強制的にこのサムライガールの案内役として連行されていった。
「…うーん」
学院内のルイズの部屋で、一人の少女が顔から脂汗を滴らせながら唸っていた。その少女を知る者は、ぱっと彼女を見れば「ハルナ」と呼ぶだろう。だが今の彼女は、ハルナであってハルナではない。彼女がウェザリーによって新たに植え付けられた裏の人格、アキナである。証拠として、彼女の髪型がポニーテールで、ハルナと比べて若干目つきが鋭いのが特徴である。
目を閉じ、強く何かに集中して、自分の体に何かを溜め込もうとしている。目に見えないオーラでも体から放出しようとしているかのようだ。
が、しばらく経ってから、彼女はくたびれて椅子にドサッと座り込んだ。
「あの時あたしたちが変身できたのは、やっぱ奇跡だったのか…?」
『不思議なくらい、絶対にできるって、あの時は思ったのに…』
彼女たちは今、ウェザリーとの決着の際と同じように、自力でファウストに変身して見せようとしていた。しかし、元々ウェザリーに植えつけられた闇の力を一度は吸い上げられた身だ。あの時は奇跡的に変身することができたも
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