侍娘-クリスティナ-part1/侍のお嬢様
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ったのか?」
「サムライだって…!?」
今、この少女はなんと言った?異世界に来て以来、聞くことなんてないはずの単語にサイトは目開いた。ならば服装が袴で、刀を振るっていたことにも説明がつく。
「もしかして君も、俺たちみたいに地球から来たのか!?」
「ちきゅう…?」
しかし、地球の名前を聞いて少女はキョトンとした。あれ?とサイトも反応に首を傾げた。
「えっと…違うのか?」
「いや、私はニホンの者でも、そのちきゅうとやらの者でもない」
「でも、君のその格好は…」
明らかに昔の日本人が着込んでいた服装だ。なぜそれを着ているのか、少女は理由を明かした。
「これは、私の師匠がくれたものなんだ。私の剣術も、あの人から教わったものだ」
誇らしげには少女は笑みを見せた。彼女も師承を敬愛しているのがわかる。
「そう言えば、まだ名乗っていなかったな。
私はクリスティナ・ヴァーサ・リクセル・オクセンシェルナ」
「やっぱり長いな…」
ハルケギニアの貴族とは、どうも名前が長いイメージばかりが付きまとう。
「ならばクリスと呼んでくれ。アンリエッタのように、親しい者たちは皆そのように呼ぶ」
「アンリエッタって…もしかして、女王様の知り合いなのか?」
「古くからの友人なんだ。互いに呼び合う仲なのだよ。先日、久方ぶりに会った際にもお前のことを聞いたよ、サムライのサイトよ」
「侍って…もしかして、俺のこと?」
まさかこの少女の言う侍とは、自分の事を指しているのか?自覚なんてまず持つことがないゆえに、サイトは自分を指差して問い返した。
「他に誰がいるというのだ?先ほどの剣技、まさに達人の技だったぞ。隙を突いてきた私の連撃をいなし、それどころか逆に私に剣先を向け返すとは。師匠が見ていたら驚くだろうな」
「そ、そう…ははは」
素直に褒め称えて笑みを浮かべるクリス。別に剣を振るっているだけで侍を名乗っているわけでもないのだが、この少女もルイズたちにも引けを取らない美貌を持っていることもあり、サイトは思わず照れて頭を掻いた。
「…相棒、顔が緩んでるぜ」
『サイト、顔が緩んでるぞ?いけないんだー』
デルフとゼロからダブルで指摘されて、サイトは我に返る。…いかんいかん、こんなところルイズたちに見られたら睨まれる。こほん、と咳払いし平静さを取り戻したサイトはクリスと向き直る。
「と、ところでクリスはなんでこの学院に来たんだ?」
「実は、私は明日からこの学院に一時的に編入する予定なんだ。アンリエッタに口利きしてもらってな」
「へ、編入!?この時期に!?」
現在のハルケギニアは、怪獣や異性人、そして闇の巨人の脅威にさらされてきた。そのせいで、今のこの学院は不登校生徒が相次いでいる。3度も襲撃を食らうような危険な学院に我が子を預けたくないと考える貴族の親や、
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