侍娘-クリスティナ-part1/侍のお嬢様
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」
襲ってきたのは、サイトらとほぼ同じ年頃の金髪の少女だった。しかし…気になったのはその恰好だった。時代劇でしか見ないはずの服装…『袴』である。少女はそれを着込んでいたのだ。それも、異世界であるこのハルケギニアで。さらに握っているのは、本物の日本刀だ。よく外国人が日本の文化に感化されて和服を着たりコスプレしたりする話をよくニュースで見ていたが、今の彼女はまさにそれだ。
「ならこの一撃はどうだ!?」
さらなる一撃が放たれる。サイトは次の一撃も防ぐが、少女の太刀筋は彼を捕えようと、そのまた次の一撃を繰り出してくる。
(この子の剣術…かなり洗練されているぞ!)
全ての太刀筋が、サイトの隙を突こうと的確に突いて来ている。そもそも魔法学院のど真ん中で剣を向けてきたりと…一体この少女は何者なのだ?
もしや、レコンキスタの刺客か!?
しかし、圧されて終わりでは、これまでウルトラマンとして戦ってきた意味がない。
『サイト、レオの修行をよく思い出せ!相手の動きをよく見て、逆にこっちが隙を突くんだ!』
『おう!』
ゼロの言葉が脳の中で響く。レオの修行を受けた時も、何度も「相手の動きをよく見ろ」とうるさく言われたものだ。
サイトは、少女の連撃を防ぎつつ、彼女の動きを深く観察する。
「次は…これだ!」
少女が突きを放ってきた。今だ!サイトは姿勢を低めながらデルフを彼女の刀の下から潜り込ませ、そのまま掬い上げた。その状態で、逆にデルフの刀身を少女の喉元に突きつけた。
「…ふふふ、聞いていた通りの腕前だ。アンリエッタが一目置くのも頷ける。気に入ったぞサイト!」
「え?」
自己紹介なんて一度もしてないのに、この少女はサイトの名前を言い当てた。大笑いしながら刀を鞘にしまう少女を見て、デルフが口を開く。
「…どうやら、相棒を試したかったみたいだな。嬢ちゃんよ」
『…なるほど、結構鋭い一撃を向けてきた割に、殺気があまり感じられなかったのはそのためか』
ゼロもまた似たような感想を漏らす。そういえば、この少女の攻撃は、思ったほど重いわけではなかったような気がする。じゃあ、別にレコンキスタの刺客とか新しい侵略異星人が襲ってきたわけでもないのか。
「いきなり不意打ちを仕掛けてすまなかったな。お前の力を自分の手で確かめてみたくなったんだ。しかし、男なら白刃取りをしてみせろ!」
「へ?」
こちらがほっと一安心した矢先に意味不明なことを口にする少女。白刃取りだなんて、変身しているときならまだしも、今の姿のサイトでは無理がある。できもしないことをごく当たり前にできるように口にするとは、この子どこか変だ。さっきから気になっていたが妙に侍くさい格好もしているし、本当に何者なのだろうか。
「アンリエッタの話を聞くと、お前はかのサムライの国の者の一人らしいが、私の勘違いだ
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