侍娘-クリスティナ-part1/侍のお嬢様
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も死ぬ身だからな。死なない程度にかわいがってやるからよ』
「さらりとどっちみち残酷な未来が待ってること言ったよこの人!?」
一瞬安心を促すような言い方を言いながら、次にめちゃくちゃ不安を煽るような言い方をするゼロに突っ込みを入れる。なぜかジープで追い掛け回されたり、岩を頭上から落とされたりする光景が目に浮かばされる。
「ったく…まぁそれはともかく、何よりハルナはこの前まで酷い目にあわされてただろ?これ以上、俺たちの戦いに巻き込んでもいいのかなって思うし…」
『そうだったな…悪かった、思慮が足りなかったな』
「あ、いや…別にゼロを責めてるわけじゃなくって…」
元は被害者であるハルナを戦わせることに遠慮なしの言葉を口にしてしまったゼロは詫びを入れる。
「けどよ、相棒たちと一緒に戦うって決めたのはあの娘っ子の方だろ?娘っ子たちの相棒への嬢は深いんだ。お前さんがいくら説得してもやめるつもりはないと思うぜ」
「……」
「ま、どちらにせよ相棒のやることは変わらねェ。娘っ子たちを守るためにも、強くなっていこうぜ」
「…そうだな。もう二度と失うのは…御免だ。何より、俺が強くならなくっちゃな」
思えば自分は、大事な人を失う経験が多かった。その度に深い悲しみに暮れた。たった一つの命が失われる。世界にとってはほんの小さなことかもしれないが、死んだ人にとっては、すべてが終わるのだ。大げさな表現かもしれないが、一人の人間の死とは、その人間の世界が終わることと同義なのである。
仲間のために、大切な人たちを守るために、もっと強くなりたい。シュウが戦えなくなったとしても、それは変わらない。拳をぎゅっと握り、改めて決意を固めるサイト。
(けど、それにしてもあの時のシュウの奴…)
ふと、もうひとつサイトは気になることを思い出した。先日の作戦中、カオスヘッダーに憑依されたネクサスのあの姿を。カオスヘッダーに支配されたかと思ったら、逆にそれらすべてを飲み込んで暴れた、ウルトラマンというより、それに似た姿の怪物というべき戦いぶりが、脳裏に焼き付いている。
(なんだったんだ、あの黒いオーラは…)
見ていてゾッとするものがあった。ウルトラマンの姿をした邪悪な…。
そこまで考えたときだった。
「なら、ちょうどいい。私が相手になってやろう」
「え?」
突然、凛とした声が耳に入る。その直後、デルフとゼロが大声を上げた。
「『上だ』!!」
サイトはすぐに反応し、デルフを引き抜いて頭上で盾代わりにして構えた。
その時、太陽の光と重なる形で、人影がサイトに向かって落下し、彼に剣を振りかざしてきた。いち早くデルフを構えたおかげもあり、サイトはその一太刀をガードすることができた。
「ほぅ、今の一撃を防ぐか。見事だな。気配は消していたはずだったが」
「だ、誰だ!?
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