侍娘-クリスティナ-part1/侍のお嬢様
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たことか?』
「あぁ、あいつの過去については、俺も思うところがある。でも…だからって、あいつを心配してくれてるテファの気持ちを無視するもんじゃないだろ…!」
トリスタニアの城で、ようやくシュウの口から彼の過去を聞いたとき、なぜ彼はあそこまで他者からの心配の視線も、自分の体がぼろぼろになることも無視して、自分一人で戦うことにこだわるのか。その理由を確かに理解できた。だが…ぎゅっと、拳を握っていたときの彼の顔には、わずかに怒気を孕んでいた。
「自分がかっこつければ満足だってのか?自分を大事に思ってる人達の気持ち無視しやがって…!」
大切な人たちの思いを踏みにじり、自分の命さえ投げ出してまで悲劇の主人公を気取って一人格好をつけるような行いが、サイトは嫌いだった。親を失って荒れていた頃、義母になってくれたアンヌとGUYSの好意をろくに受け入れなかった自分とダブっていたこと、ラ・ロシェールでゼロが取り返しのつかない間違いを犯しそれを叱責した身でありながら、あの男自身も人の気持ちを無視した行為に走ったことが大きな要因だった。なぜ助けを呼ぼうともしなかった?なぜあれほど辛いのに、何のためにジャンバードを介して、自分のビデオシーバーと彼のパルスブレイガーの通信回線を?げたのだ。どちらかが危機に陥った時のために、?げたのではなかったのか。
不満を口にし続けるサイトだが、これ以上彼をイライラさせるのは忍びないので、デルフは強引に、今後の自分たちの身の振り方について言うのはやめた。
「…まぁなんにせよ、俺たち側の戦力は落ちたことに変わりねぇな。どうするよ?」
『グレンもラグドリアン湖で皇太子を守っている状態で当てにしづらいし、しばらく俺たちでなんとかしようぜ。ハルナもまだ、自分の目覚めた力のコントロールには慣れていないし…となると、トレーニングに一層力を入れた方がよさそうだな…』
「あぁ…やっぱそうするしかないか」
「なんでぇ。ちと気が進まなそうだな」
必然的にトレーニングの強化を提案したゼロだが、少し肩を落とすサイト。デルフが怪訝な声を漏らす。
「ゼロって…あのウルトラマンレオ、おおとりさんの弟子だろ?前にタルブ村で修行してもらった時のことを思うとな…」
以前、ワルドに敗れウェールズたち王党派の人々が奴の手にかかったショックが重なりルイズとも亀裂が走ったころに出会った、ウルトラマンレオの人間の姿、おおとりゲン。渋くてかっこいいと思ったが、同時に学校の鬼教師がかわいく見えそうなくらいめちゃくちゃ厳しそうな人だという印象を受けた。実際、タルブ村にレコンキスタと怪獣軍団が来るまでの間の連日、ゼロに変身して地獄の組手を受け続けてきた。そのレオの弟子であるゼロ、なにかしら遺伝されているような気がしなくもなかった。
『くくく……なぁに心配すんな。お前に死なれたら俺
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