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レーヴァティン
第二十一話 風呂屋での情報収集その七

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「そのことは覚えておかないとね」
「全くだよな」
「うん、それでだけれど」
 源三は自分の近くに置いてあった水を一口飲んでからまた久志に言った、彼も水分保有は忘れていない。
「お風呂から出たら」
「ああ、仕事が終わったしな」
「冒険に出ようか」
「そうだな、酒も抜けたしな」
「完全復活したからね」
「朝起きた時は死ぬかと思ったぜ」
 実際にとだ、久志は笑って言った。
「頭は痛いわ身体は辛いわ」
「大変だったね」
「けれどそれもな」
 明るく笑っての言葉だった。
「全快したしな」
「それじゃあね」
「風呂から出たらな」
「冒険だね」
「ああ、行くか」
 仲間達に言う、そしてだった。
 久志は源三を加えた四人で再び冒険に出るのだった、その冒険に出たところで彼は一旦目を覚ました。
 その話を大学で英雄にするとだ、英雄は無表情で彼に返した。
「わかった」
「それだけかよ」
「多くを言う必要はない」
 そう判断しての返事だというのだ。
「だからこれで終わらせた」
「愛想がないな、相変わらず」
「気にするな」
「ああ、じゃあ気にしないさ」
「御前はそうした旅だったか」
「三人来てくれたぜ」
「俺も今は三人だ」 
 英雄は久志が言う無愛想な顔と口調で返した。
「それは御前と同じだな」
「そういえばそうだな」
「しかし旅の流れは全く違う」
「まあそうだろうな」 
 別の島で別の人間が旅をするのだ、それならば違って当然だとだ。久志もそれはわかった。
 それでだ、英雄にそのことを尋ねた。
「じゃあ御前の旅のことを聞かせてくれるか」
「長いがいいか」
「こっちも話したしな」 
「今度は聞きたいか」
「そういうことさ、ただな」
「先程の様にだな」
「一言で終わらせるなよ」
 そこは注意した、忠告する目で見つつ。
「いいな、そこは」
「安心しろ、長い話になると言ったな」
「実際にか」
「そうした話になる」
 こう久志に言うのだった。
「それでもいいのならな」
「今答えた通りだよ」
「では話させてもらう、だが」
「だが?」
「昼だ、飯にしよう」
 つまり食いながら話をしようというのだ。
「そうして話すか」
「飯か、じゃあスパゲティでも食いながらな」
「俺は蕎麦だ」
「そっちかよ」
「あちらの世界で食ってきたからな」 
 それでというのだ。
「それにする」
「そっちは完全にか」
「日本だ」
「そうなんだな」
「その文化だ」
「それで蕎麦か」
「美味い店が多い」
 英雄は久志にこうも話した。
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