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ダンジョンに闇の王子が迷い込むのは間違っているだろうか
1章 兎との出会い
冒険のはじまり
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金が必要だ。
ふと、隣のヘスティアを見ると、目をキラキラと輝かせ、こちらを見つめていた。
「じゃあ、冒険者なんかどうだい!?」
鼻息を荒くしながら、俺に向かって問うてきた。
冒険者か……元いた世界でも、王子になるまではやっていた。
何かと都合がいいかもしれない。
「そうだな、それがいい」
「じゃあ、早速【ファミリア】に所属しなきゃね!」
「……? ファミリア?」
また新しい単語が出てきた。
「ヘスティア、それって……!?」
「そうと決まったら早速【ファミリア】入団の儀式をやろう!」
意味もわからないまま、凄い速さで手を引かれる。
子供なのになんて力だ……!
そんなことを思いながら、ヘスティアの思うがままに引きずり回されていった。
?
戻ってきたのは、最初の廃教会。
そのままベッドに押し倒され、服を引き剥がされそうになっていた。
「やめろ! これは一体どういうことだ!?」
「そっちこそ大人しくしてくれ! 儀式ができないじゃないか!」
「まずは1から説明をしろ!」
強い語勢とともに、ヘスティアの頭を1発殴る。
「ぷぎゅっ!?」
頭を殴られたヘスティアは、ゴロゴロと地面を転がって、壁にもたれかかる。
全く、誰が最初に安静にしろって言ったんだ。
これじゃ余計疲れ……
「ううっ……グレン君が僕のことぶったぁ……ベル君にもぶたれたことないのに」
よほど痛かったのか、ヘスティアは頭を抑えて半泣きになっていた。
「……悪かった、謝るから泣かないでくれ。俺はただ、ファミリアのこととか、儀式のことを、落ち着いて聞きたかっただけなんだ。教えてくれるかい?」
「ううっ……」
半泣きになった目を抑えながら、コクコクと首を縦に振る。
そこから数十分ほど、【ファミリア】について、事細かな説明が始まった。
?
「なるほどな」
「じゃ、早速始めようか!」
数十分後、【ファミリア】や、儀式についてのひと通りの説明が終わり、早速実践に移ることとなった。
「ここにうつ伏せになって〜」
「……こうか?」
ヘスティアの指示通り、ベッドの上でうつ伏せになる。
【ファミリア】とその儀式。それは、団員の証であり、力の源。
神の血『神血イコル』から編み出される『ステイタス』を駆使し、団員たちはダンジョンと呼ばれる地下で戦う。
もちろんそうなれば、神がいるだけ党派は別れ
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