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ダンジョンに闇の王子が迷い込むのは間違っているだろうか
1章 兎との出会い
冒険のはじまり
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るのは、はっきり言っておかしかった。


「じゃあ、ここはどこなんだ?」

「へっ? 逆に聞くけど、グレン君は知らないの?」

「……ああ」


 次はヘスティアが、俺に疑問を抱き始めた。


「ここは、世界で唯一ダンジョンを所持する巨大都市『オラリオ』だよ? 冒険者を目指してない人でも、知っておくべき常識の1つさ」

「……オラ、リオ……?」


 そんな都市の名前など、俺は一切聞いたことがない。
 俺はベッドから起き上がり、隣にかけられていた上着を着る。


「何してるの?」

「外に出る」

「……! まだダメだよ! 自分がどれだけ怪我してるのか、分かってるのかい!?」


 確かにそうかもしれないが、そんな状況など何度もあった。
 今ここで引き下がる気は無い。


「すぐに戻る、1つ確認したいこたがあるだけだ」

「……はぁ、分かったよ。ただし、ボクもついて行かせてもらうよ」

「……ありがとう」



?



「こ、これは……!」


 外に出て、しばらく歩き続けると、どうやら街の中心まで出たようだ。
 黒の王国では見られないほど活気にあふれ、人々が交差している。

 何よりも目を引くのは、街の中心にそびえ立つ巨大な『塔』。


「やはりここは──」


 これでやっと確信した。


「別世界だ──」


 自分たちのいる世界とは異なる時間軸を進む世界、それを俺がすぐに理解出来たのは、ある者の存在が関わっていた。

 《智の賢者》、彼が認識をすれば、別の世界だって作れるはずだ。もし、彼が本当に別の世界を創造していたとしても、何ら不思議ではなかった。


「別世界? 別世界って、どういうことだい?」


 隣をついてきたヘスティアが、俺のつぶやきに疑問を覚えた。


「ヘスティア、君は別の世界があると言ったら、信じるか?」

「うーん、ボクも見たことはないけど……あるんじゃないかな?」


 ヘスティアは曖昧だが、可能性があると考えているようだ。


「──なら俺が、その別の世界から来たと言ったら、信じるか?」

「……うん! 君は嘘を言ってないようだしね! 信じるよ!」


 軽い……いくら子供でも、こういったことは簡単に信じてしまうのだろうか?
 いまいち腑に落ちないな。

 まあ、信じてくれるだけ、好都合だと考えよう。
 後は──


「ヘスティア、この辺で簡単に出来る仕事はあるか?」


 生活だ。
 元いた世界に帰るまでは、ここの世界で過ごすことになる。
 ならば
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