第二章 汚された草競馬大会-4-
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「こんにちは,おばちゃん。今日も練習場所借りていい?」
颯爽と美しい白馬に跨り現れたのは、濃紫の長い髪に灼眼が印象的な少女だった。その姿はまるで絵本に出てくるような白馬の王子様そのものだ。
美しい一枚の絵画を見ているような光景に皆一応に息を?み時が止まった。
「………」
「どうしたんですか?」
不思議そうに首を傾げて言う少女の言葉で時がまた動き出した。
「あっあぁ…こんにちは、シルちゃん。それとシルビアもね」
宿屋のおばさんが少女のことをシルと白馬のことをシルビアと呼んだ。おばさんに鼻を撫でられてシルビアは嬉しそうな表情をしている。
「今日の練習はルシアちゃんと合同練習でいいかねぇ?」
「……ルシア……君?」
きょとんとした顔でルシア、ランファ、シレーナの顔を順番に見つめていく。
ルシアなんて男でも女でもいけそうな名前、誰がルシアなのか今日初めて会ったばかりのシルには分からない。
「どっ、どうも……」
「あっ。どうも……」
互いの視線が合い、会釈する。でもどうもぎこちない。
お年頃の二人にはちょっと気恥ずかしかったか? 初々しい二人のやり取りを見たおばさんは、それを茶化すように
「じゃあ…。あとは若い二人に任せて……ねっ」
「あたし達はお暇しますかっ。ねっ、シレーナさん」
「………うん」
言うおばさんの言葉にちやっかりノッたランファもニヤニヤしながら言いシレーナの腕を掴みおばさんの後に続けてその場を立ち去る。
ランファに引きずられながら立ち去る際、後ろを振り返りぎこちなく会話するルシアとシルをみていると、なんだか自分の知らない間にルシアをシルに取られてしまうんじゃないかと人知れず不安になるシレーナの気持ちを察したランファが彼女の耳元でひそひそと「ルシアは鈍感バカだから大丈夫だよっ」言い二人でクスクス笑い合い、なら大丈夫かなと安心しておばさん達と宿へ帰って行くことができた。
そして練習場に残された二人は、というと……
「ええぇぇぇっ!? おばさんにっ! ランファとそれにシレーナまでっ!?」
「「…………」」
頼りにしていた人たちに置き去りにされ二人の間に重い沈黙が流れる。
「えっと…シルです」
「ルシアです。よろしく…」
さすがになにか話さないと気まず過ぎて死ぬっ! とゆうことで取り敢えずその場しのぎの自己紹介。でもすっごくぎこちない…。
「君も大会に…?」
「…うん。宿屋のおばさんの代わりにね」
「そうなんだ」
「君も出るの?」
「大会があれば毎回出てるよ」
「そうなんだ……。じゃあ僕達ライバルになるんだね」
「そうだね」
「「……………」」
シルが振ってくれた会話もすぐに終了。
元々お喋りな性格じゃない二人に
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