第二章 汚された草競馬大会-4-
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言葉のキャッチボールをさせるのは無理がありすぎたか? いつどんな相手でもフレンドリーに話せるランファをこんなにも尊敬の念を感じたのは今回が初めての事だろう。
このまま沈黙していても駄目なので無い頭をフル回転させ会話を捻り出す。
「あの。君の馬かわいいね。なんて名前なの?」
「……シルビア」
「シルビアか……良い名前だね」
「ありがとう」
「「……………」」
そしてまた会話が途切れた。
と、ゆうより馬の名前なら先程おばさんが呼んでいたので知っていた。知っているのに何故聞いた、ルシアよ?
もうこうなったら自棄にでもなって会話を続けるしかないっ。
「実は僕っ! 一度も馬に乗ったことがないんだっ!!
あの……良かったら馬の乗り方教えてもらえないかな……?」
「乗ったことないのに大会に出るの?」
「う、うんっ……」
驚いた表情のまま固まるシル。あ……引かれれしまったかな…? と少し後悔していると
「ぷっ」
「え?」
「あはははっ!! 乗ったことないのに大会に出るってっあははっ」
良かった。引かれてはなかったようだ。
ツボにはいって笑いが止まらなくなってしまったようだけど…。しばらくシルが笑っている姿を見た後
「はぁ…はぁ……ごめんっ」
「ううん、なんて言うか……お疲れ?」
「はぁ……」
笑い過ぎて肺が痛いのか、凄く苦しそうだ。背中をさすってあげてシルが息を整えるを待って
「もう大丈夫。あろうかと」
「よかった」
「じゃあ始めようかっ地獄の特訓をっ!」
「えぇ〜〜!!?」
「ほらっ、行くよっ」
から鬼教官シル隊長による地獄の乗馬訓練が始まった。
数時間後には開催される競馬大会にド素人が出場しようと言うのだ、生半可なことでは使い物にならないのだ。
シルは初心者のルシアに解りやすく丁寧に馬の基礎から教えてくれた。
最初は鼻でルシアのことを笑っていたフレアも少しずつ、懸命に頑張るルシアの姿を見て考えを改めて、ルシアを嫌がらずに背に乗せて相棒として認めてくれた。
そんな光景を見て最初は気品高く高飛車だったシルビアも、ルシアとフレアのコンビを自分に相応しいライバルと認めた。
ーちなみにルシアとシルが今回の事をきっかけに一気に近づき恋人同士なればいいなーと思っていたおばさんの策略どうりにはいかず、結果は友達以上恋人未満…といったところだった。
その結果を聞いてホッと人知れずに胸をなでおろす、ランファとシレーナなのであった。
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