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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十五話 病室の時間
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「っで、坊主はいつになったらおとなしくするってことを覚えんだ?」

「やんちゃな年頃なんですごうっ!?」

 呆れ顔のケイジさんにジョークで返すと鉄拳が脳天を直撃した。

 かなり鈍い音がしたし、視界にお星様が見えるから恐らく気絶するでしょう。

 それでは皆さん、お休み。

「寝てんじゃねぇっ!!」

「ぐふぅぇっ!?」

 ブラックアウト寸前の俺の腹部を表現しきれないレベルの衝撃と激痛がご一緒に襲ってきた。

 あまりの威力に体がくの字に曲がったし肺から酸素が全て出て行ったせいで呼吸困難。

「げほっ、うえっほ……っぐふぅ」

 呼吸を何とか必死になって整えて、俺はため息混じりにケイジさんを睨む。

「暴力はいけないと思うんです」

「ならその態度を改めろってんだ」

「やいのやいのうるさいなぁ。 俺、今は病人ですよ?」

 そう。

 海上での戦いを終えた俺たちがアースラに帰還すると、フェイトの母親がいるとされる拠点に向かったはずのケイジさんが俺の首根っこを掴んで病室に連れ戻して、現在俺は病人として再びベッドで仰向けになっていた。

 そして長い名前の薬品を何種類か投与された影響で首から下が麻痺して動けなくなり、こうしてケイジさんのパワハラを無抵抗で受けなければいけなくなった。

 なのはたちがどうしてるのかは知らないけど、恐らくフェイトとアルフのことを色々聞いているのだろう。

 そこに俺が立ち会えないのが残念でしょうがないのだが、どうすることもできないわけで。

「その病人が休むことを忘れて戦場で暴れりゃ誰だって焦るわ!!」

 と、正論を言われてしまえば大人しくするしかない。

 フェイト達を助けに行けたのはホントに運がいいというか、身体に鞭を打ったからなのは自覚してる。

 病室で目覚めた直後はそもそも身動きがとれなかったのだから、それから間もなくしてああやって戦ったのだから心配されて当然だ。

 アマネも猛反対してたし、今回ばっかりは反省しないといけないだろう。

「……すみません」

「許さないから投薬治療になったんだろうが」

「あはは……。 ですよね」

 呆れ顔のケイジさんに、俺は苦笑で返すことしかできなかった。

 俺が目覚めた時点で後は食事療法と、ただただ安静にしてるだけで回復できる身体だったらしい。

 だけど安静にしなかったんで、大人しくしてもらうためというのと、とっとと治れって言うケイジさんの怒りから投薬治療に変わった。

 まぁケイジさんの怒りの半分は八つ当たりだけど。

「ったく、こっちはハズレを引かされて苛立ってるってのに」

 というのも、ケイジさんが部隊を引き連れて向かったフェイトの母、プ
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