第四十一話 神戸でもその十
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「教会を継がないといけないから」
「先輩はそうなんですね」
「その資格がないと駄目だから、けれど私もね」
「あくまで、ですね」
「通過点よ」
どういった教会の奥さんになるかです、あと女の人も教会長になれるのが天理教の特徴の一つです。何しろ教祖、おやさまが女性の方ですし。
「誰にとってもだし私にとってもね」
「そうなんですね、じゃあ一緒に」
「一緒?」
「行きますか」
「講習に?私と阿波野君が」
「それに教会にも」
「教会には今から一緒に行くけれど」
また変なことを言ってきました、どうしてこの子は私には変なことばかり言ってくるのでしょうか。詰所の人達にお聞きしたところ他の人には普通らしいです。
「講習は一緒になれるかわからないよ」
「そうですか?」
「行く時期がわからないから」
私は多分大学を卒業したらになるでしょうが阿波野君はどうなるかです。
「一緒になれるかは」
「そうですか」
「そうよ、わからないわよ」
「じゃあ一緒になる様にしますね」
「私に合わせて?」
「はい、そうしますから」
またしても能天気な笑顔で言ってきました。
「宜しくお願いします」
「別にそんなことしなくていいわよ」
私は少しむっとして阿波野君に言いました。
「というか講習まで阿波野君と一緒って」
「お嫌ですか?」
「講習の時までいい加減みたいだから」
本当にそうとしか思えないです、私にとっては。
「そうじゃなかったらいいわ」
「はい、僕真面目ですからね」
「全然真面目じゃないでしょ」
阿波野君にむっとしたお顔で言い返しました。
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