第十幕その十
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「まずはお昼ですから」
「そうです、お昼ですから」
ジュリアも言ってきました。
「実はお話しようと思っていました」
「お食事にしようとですね」
「そう思っていましたけれど」
「はい、いいお考えです」
女王はジュリアにもにこりと笑って応えました。
「それではです」
「これからですね」
「お食事にしましょう」
「それじゃあ」
「夫にも来てもらいます」
女王は優雅な笑顔でこうも言いました。
「そして皆で食べましょう」
「お昼をですね」
「実は夫は今はお客人とお話をしています」
「お客人とですか」
「はい、人魚の王として魚人の王とです」
「あっ、そういえば」
ここで神宝は先程かかし達から聞いたお話を思い出しました。
「人魚の人達は魚人の人達とですね」
「そうです、同じ海の種族の中でもです」
「特に仲がいいんですよね」
「親密に交流をしています」
そうだというのです。
「そして今もです」
「いや、いいですね」
「若しかして魚人の人達にもお会い出来るかって思ってましたけれど」
「お会い出来るんですね」
「あの人達とも」
ジョージとカルロス、ナターシャと恵梨香もそのお話に上機嫌になります。
「じゃあ今からですね」
「人魚の王様や魚人の人達ともですね」
「一緒にお昼を食べるんですね」
「そうするんですね」
「そうです、では食事の間へどうぞ」
王宮のそこにというのです。
「そこで食べましょう」
「わかりました」
「それじゃあ今から宜しくお願いします」
「人魚の国のお食事頂きます」
五人も他の皆も宮殿の食事の間に案内されました、そしてです。そこで若々しくて精悍な顔立ちの青い髪と緑の目の人魚の人とです、赤く輝く鱗と鯛の頭を持つ人の身体の立派な服を着た人が一行の前に並んで出て来ました、その若い人魚の人のところに寄り添ってです。女王は五人ににこりと笑って言ってきました。
「夫でこの国の王です」
「そう、私がね」
その人自身も五人にお話しました。
「この国の王だよ」
「そうなんですね」
「貴方がこの国の王様ですか」
「人魚の国の」
「そうだよ、そして妻がね」
王様は女王を抱き寄せてさらにお話しました、女王は少し気恥かしそうに王様に身体をそっと寄せて笑顔になりました。
「この国の女王になったんだ」
「そうだったんですね」
「女王様は王様に嫁がれてですか」
「女王様になられたんですか」
「親戚同士だったんだ」
最初はそうだったというのです。
「僕は前の王様の息子で妻は公爵家の長女だったんだけれど」
「その公爵家がですか」
「人魚の王家のご親戚だったんですか」
「そうだよ、僕から数えて三代前の王様の末っ子さんのお家でね」
「それで、ですか」
「ご
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