822部分:第六十七話 何進、陥れられるのことその一
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第六十七話 何進、陥れられるのこと
皇帝がだ。遂にだった。
「えっ、陛下が!?」
「はい、そうです」
「崩御されました」
孔明と鳳統がだ。劉備にこのことを話していた。
「病に倒れられ」
「そうして」
「以前から御身体が悪いとは聞いていたけれど」
劉備もだ。それは聞いていた。
「こんなに早くなんて」
「病に臥せっておられる間も女性の方をお傍に置かれ」
「お酒と御馳走を楽しんでおられたそうなので」
「それが駄目だったの」
「はい、何事も過ぎたるは及ばざるが如しです」
「特にその三つはです」
駄目だというのである。
「ですから。帝は」
「悲しいことですが」
「わかったわ。じゃあ喪に服してね」
劉備は牧として話した。
「そうしましょう」
「はい、すぐに」
「州としてですね」
「それと」
劉備はだ。続いて話す。
「次の帝は」
「それはもう決まっています」
「すぐに即位されます」
孔明と鳳統の言葉が明るくなった。一転してだ。
「陳留王がです」
「皇帝になられます」
「そう。あの方がなの」
「とても聡明な方だとのことです」
「まだご幼少ですが」
それでもだというのだ。
「ですから。宦官達の横暴は」
「かなりましになると思います」
「そう。宦官はね」
彼等の存在は今や国の癌となっていた。中央からなのだった。
「どうにもならないのね」
「はい、ただ」
「帝が代わられるその間にです」
孔明と鳳統は困った顔に戻った。そのうえでの言葉だった。
「都でおかしなことにならなければいいのですが」
「それが心配です」
「っていうと?」
劉備はその二人に問うた。都で何が起こるのかをだ。
「何か。洛陽で起こるの?」
「はい、先帝は宦官を重用されると共に大将軍を外戚に持っておられました」
「それで微妙な均衡が生じていました」
二人は劉備にこのことを話す。
「宦官と外戚」
「この二つの勢力がです」
「ですが。その帝が崩御されてです」
「新しい帝が即位されます」
本来なら慶賀にすべきことがだ。危うさの種となるというのだ。
「宦官達は新帝に取り入らなければなりません」
「大将軍も。新帝を擁立し己の地位を確かなものにしなければなりません」
「だからです」
「御互いに。帝が必要なのです」
そしてだ。さらにだというのだ。
「御互いが。さらに邪魔になります」
「だからこそ。動きがあるかも知れません」
「動き?」
「それが陰謀や武力を伴うものになれば」
「大変なことになります」
これがだ。二人の危惧していることだった。
「天下の騒乱になりかねません」
「そうならなければいいのですが」
「折角何とか収まりかけているの
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