82部分:第八話 董卓、城を抜け出すのことその四
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第八話 董卓、城を抜け出すのことその四
「その言葉はねえんじゃねえのか?」
「どうなんだよ」
「村に案内して頂けるとは言われました」
一行がそっと見るとだった。薄紫の柔らかい髪を首のところで切り揃えた楚々とした少女がいた。小柄で顔立ちは優しい。髪にはリボンがある。
目はやや垂れ目で赤紫である。服は淡い白と薄紫の中間色である。その色の服を着ているのであった。
その少女が大木を背にしている。周りを三人の柄の悪い男達が囲みそのうえで言っているのであった。
「けれどここは」
「だから案内してやったんだよ」
「楽しい場所にな」
「今すぐ楽にしてやるぜ」
「楽に?」
少女は今の言葉を聞いてその眉をぴくりとさせた。
「まさか私をここで」
「ああ、そのつもりはないから安心しな」
「それはな」
山賊達もそれはしないというのだ。
「今から気持ちよくさせてやるからな」
「へっへっへ、安心しな」
「そうなのか」
関羽がここで彼等に声をかけた。
「そんなに気持ちいいのか」
「そうさ、もうな」
「病み付きになる程にな」
「わかった」
山賊達は三人だ。関羽の姿は見えていない。それでこう言葉を返したのである。
「それでは我々も混ぜてもらおう」
「何っ!?」
「誰なんださっきから」
「旅の武芸者達だ」
こう言ってであった。山賊達の前に出て来てみせたのであった。
「何処にでもこういう下衆はいるな」
「全くです」
ナコルルも怒った目をしている。そのうえで関羽の言葉に応えたのだ。
「こうした人達は何処にもいます」
「それでだ。どうするのだ?」
趙雲は既に槍を構えている。そのうえで山賊達に対して問うた。
「我々も入れてくれるのか。どうするのだ?」
「へっ、何かって思ったら女ばかりかよ」
「しかも上玉ばかり七人か」
「それならな」
「まとめて相手してやるぜ!」
こう言ってまずは関羽達に襲い掛かる。だが戦いは一瞬で終わった。彼等はあっという間に何処かに吹き飛ばされてしまったのである。
「ふん、情けない」
「日本一っ!って言う程もないわね」
キングと舞は戦いを終わらせたうえで素っ気無く言った。
「さて、この連中はいいとしてだ」
「ねえあんた」
舞が木のところにいる少女に対して声をかけた。
「またどうしてこんな場所にいるの?」
「それで名前は何ていうのだ?」
「名前ですか」
まずは張飛の言葉に応えた。
「名前はですね」
「何ていうのだ?」
「董・・・・・・ええと」
ふと考えてだ。こう言ったのであった。
「董々です」
「董々?」
「はい、そうです」
微笑んで述べた。
「それが私の名前です」
「いい名前なのだ」
張飛はその名前を聞いてすぐに笑顔にな
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