819部分:第六十六話 バイスとマチュア、闇の中で話すのことその九
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第六十六話 バイスとマチュア、闇の中で話すのことその九
「皆さん来られたようですし」
「それであの妖怪はどうしたの?」
「腐れ外道は」
「もう蘇ることはありません」
今度はバイスとマチュアに述べるゲーニッツだった。
「完全に消し去ってあげました」
「魂までね」
「そうしたのね」
「この世界に妖怪は不要です」
実に素っ気無く述べるゲーニッツだった。
「ですから消えてもらいました」
「人食いには興味はない」
左慈も言う。
「そんな奴が来ればかえって邪魔だ」
「その通りですね。我々は破壊と混沌を求めはします」
于吉もそれについて話す。
「しかし。人間を食事の素材にすることはです」
「何の意味もない。ただしだ」
「人が人を喰らう」
「その世の中にすることは望むがな」
二人の笑みが変わった。邪なものにだ。
そしてそのうえでだ。さらに話す彼等だった。
その話になってからだ。バイスがこう一同に話した。
「ところで。話が一段落したし」
「そうね。だったらね」
「食事にしないかしら」
「それを提案するけれど」
「いいわね」
最初に頷いたのは司馬慰だった。
「それじゃあ。私がいい店を紹介するわ」
「洛陽のレストランですか」
ゲーニッツはその店をこう表現した。
「そこにですね」
「ええ。どうかしら」
また言う司馬慰だった。
「洛陽で。最もいいお店よ」
「そうね。人目を忍んで入ってね」
「それで頂きましょう」
「ええ。人目も気にしなくていいわ」
それも大丈夫だと話す司馬慰だった。
「そのお店は私の馴染みだから。裏手から入ってね」
「それから個室に入ってですね」
「それも用意してもらえるから。それじゃあね」
こう話してだ。そのうえでだった。
彼等は芝居が勧めるその店に向かう。そうして馳走を楽しむのだった。
馳走を楽しんでいるのはだ。魏延もだった。彼女は劉備の手料理を食べながらだ。満面の笑顔で彼女にこう言うのであった。
「桃香様、お見事です」
「美味しいの?」
「最高です」
こう言うのである。
「桃香様はお料理も得手とされているのですか」
「私のお家ってお母さんと二人だけだったから」
つまり母子家庭だったのである。
「それで。お料理もね」
「しておられたのですか」
「ええ、そうなの」
こうだ。エプロン姿で話す劉備だった。
「けれど。そんなに作ったことないけれど」
「いえ、最高です」
魏延はあくまでこう言うのだった。
「これ程までの料理は食べたことがありません」
「そんな、大袈裟よ」
「大袈裟ではないです」
「そうじゃな。それは確かじゃ」
このことは厳顔も認めた。彼女も同席しているのだ。
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