暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第38話 『絨毯の上で』
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「反応……消息不明(ロスト)……」
「異常反応も、消滅……」


 通信室に喪失感からくる緊張が訪れるが、すぐに切り替えられるように努めた。
 はやては唇を軽く噛み、


「逃がしたか……」


 と、悔しがるも周りへの指示は忘れず、各個への状況を確認を始める。


「……ん、なるほど。レリックはキャロがな……うん……うん……ヘリの女の子は無事なんやね」


 近くにいるなのは、フェイトも彼女のところに集まり状況を共有する。
 ある程度はやての受け取る報告を聞く限りどの箇所も大事までは至ってないようである。


「大丈夫そうだね」
「うん」


 なのはとフェイトは少し緊張を解き、息をついた。


「でも、レリックをキャロに預けたのはびっくりだね」
「うん。とっさによく思いついたなって思う」


 ふたりは顔を見合わせてふふっと笑みがこぼれた。


「あの女の子も命に別状はないみたい」


 なのははあの女の子が一番気になっていた様子で、安否が再度確認できたことに胸を撫で下ろした。フェイトはなのはの人命救助における意識が自分やはやて以上に高いのを良くわかっていたので、


「後で、病院に様子見に行ってきなよ」


 と彼女の背中を押した。なのはは少し眉を寄せて考えようとしたが、フェイトは部隊のほうは自分が処理しておくと彼女のためになれるよう努めた。


「ありがとう、フェイトちゃん」


 なのはは頷き、感謝を述べてふと横目で病院のある方向に目をやったとき、


「……」
「どうしたの、なのは?」
「ねぇフェイトちゃん」
「ん?」


 今度は目だけでなく、身体ごと方向を変えた。


「なのはちゃん、どないしたん?」


 いくつかの報告が終わり、はやてはなのはが背中を向けたことに気づいて会話に参加する。びゅうと少し強めの風が吹いた後、なのはは口を開いた。


「コタロウさんは、今ヘリ乗ってないんだよね?」
『――!!』


 その一言に、すぐにはやてはオペレータルームに連絡をつないだ。


「シャーリー」
「はい、八神部隊長」
「コタロウさんからの報告ってあった?」
「いえ、ちょうど今から連絡をとるところです。一応ヴァイス陸曹からコタロウさんは無事と連絡は受けていたそうで」
「なるほど」


 レリックと女の子の安否が第一であり、さきほど間接的に連絡があったことと、砲撃直後に「ランバー(がらくた)からロングアーチへ。JF-704――ヘリ――の圏外回避を確認。負傷者ゼロ」と報告を確認できていたことから優先度は自動的に下のほうへ回していた。


「今つなぎますね」


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