暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第38話 『絨毯の上で』
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をめぐらせる。


(コタロウさんの筋力は常人のそれではないほど鍛えられているのは明らかなのに、どうしてこんなに全身に出るのかしら?)


 それが不思議でならなかった。各箇所による疲労の差はあるものの、全身満遍なく疲労しきっている。


「どうかしたんです?」
「ううん、平気。コタロウさんすぐに疲労回復を――」
「いえ、問題ありま――」
「今日は言うこと聞いてもらいますよ。実際医務室これてないんですか、ら!」
「あ、う……」


 コタロウが拒否する前に、背中のハリのある部分にシャマルは親指を押し込んで二言を許さなかった。


[うわ……シャマル先生容赦ない]
[今日の緊急出撃を抜いてもネコさんの行動には驚かされるところがあるし」


 横目で合図するかのようにスバルとティアナは念話を交わすと、シャマルはコタロウに再度一撃を繰り出していた。


[まあ……]
[ねえ……]


 シャマルの気持ちは二人にはよくわかった。


「そうですよ? 上官命令です! ちゃんと治療を受けてください!」
「公私混同ではなく、今日また出動があった場合対応できないことがあるかもしれないじゃないですか。回復も任務のひとつです」
「……わかり、ました。では、お願いいたします」


 彼女のヒーリングを受ける間、エリオとキャロは煙樹(モンテコ)が芳香として焚かれているのに気がついた。煙は出ていてもすぐに消えていき、部屋に充満することはなさそうである。
 それほど時間はかからず治療が終わると、彼はすくりと立ち上がりシャツを着て大きく身体を伸ばした。


「どうですか?」
「……問題ありません」


 ぱちくりと何度か瞬きをしてシャマルを見る。この前の模擬戦では気絶しているうちに治療を受けていたので気がつかなかったが、感心するほどであったらしい。彼の顔からそれを読み取るのは簡単ではなかったが。
 スバルたちはコタロウを見舞った後リインの指示により退室した。彼も回復したこともあって『あーん』をされることなく夕食を食べ終わると、


「もう動いても問題ありませんが、安静にしてくださいね」
「お見送りを」


 と、立ち上がったがシャマルに断られベッドへと促された。食事の間彼女から今夜は早く就寝することを注意に近い言葉遣いで言い渡されていたこともあり彼は何も言わずに従った。


「シャマル主任医務官、リインフォース・ツヴァイ空曹長。それでは、このような状態でたいへん申し訳ありませんが、お先に休ませていただこうと思います」
「はい」
「おやすみなさいです」


 その言葉とベッドに横になるのを確認してやっとシャマルは安心して立ち上がり、彼女の肩に乗っていたリインもすっと
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