暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第38話 『絨毯の上で』
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ロウの手が添えられていた。はやては視線をコタロウに向けると、彼は彼女よりワンテンポ遅く視線を上げ彼女と目を合わせる。
「……」
どうかしましたか? というように彼は小首を傾げる。
「――わぁ!」
頬の上気した彼女は一時の間のあと素早く万歳をしてコタロウの手を振りほどいた。その反動で絨毯が大きく反転する。しかし、彼女の三人を乗せているという意識は途切れていないため、一回転しても誰も振り落とされることはなかった。振りほどかれたコタロウは敬礼をして断りを入れた後、回れ右していつ作業着にくくりつけたかも分からない靴を履き始めた。
それを目で追ったはやては、自分の顔の熱がまだ治まらないままフェイトに念話を入れた。
[正直なところ聞くんやけど、コタロウさんに何かされた?]
[ど、どうし……]
なぜだろうか、そこまで言って自分は彼とはやてのやりとりを見ていたからか後ろめたさを感じ、はやてが絨毯で急上昇した時のことを話した。
[……なるほどな。それで赤く]
[うん。男の人とあそこまで近くまで来られたことないし……]
[それは私もおんなじや]
二人とも助けられるより人を助けることのほうが多い。もちろん男性を救助したこともあるが、そういうときは性別を意識することはなく救助を行っていた。だが、今回二人はひとつ気づいたことがある。それは念話の内容のとおり、助けられる側のときは心音が高鳴ることもあり、男性であることをことのほか意識してしまうということであった。
そして、その意識というのは突如として起こるものなのに、消えるときは比較にならない冷めにくさをもち困難を極めた。
はやてとフェイトは自分たちに背を向けて靴を履く彼を見て、逆に元から警戒をしていればこのようなことは起こらないのだろうかとそれぞれ考えるも、
(『もしそうなら、それは自意識過剰ではないか?』)
という考えに至った。
そこではやては、
「コタロウさん」
「はい」
「私たちに助けられたとき、どう思いましたか?」
今まで救出された人の気持ちを聞く機会も聞こうということも意識したことはなかったので結び終えて立ち上がった彼に聞いてみることにした。
「ご迷惑をおかけしたとともに、感謝です」
しかし、それを聞いた瞬間に後悔する。
感謝することをを強制的に聞き出しているとしか思えなかったのだ。彼からすればそのように考えることはなく質問に対する回答をしただけである。ただ、もし違う人間に聞いていたら強制しているように聞こえてもおかしくなかった。
「そか……」
そしてはやてはそのままこの話を終わらせようとしたが、
「そして、飛行
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