暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第38話 『絨毯の上で』
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見たことがあったとはやてに話した。


「魔法の絨毯で移動しますか?」


 コタロウ自身は徒歩でも問題なかったが、上官の言葉に従うことを優先し提案に対して同意を示す。


「あ、ほんなら」
「お願いします」


 二人の相談の上、権限付与ははやてに行うことになった。
 それでは、とコタロウははやてに権限付与を与え、傘を握らせる。機能説明を受けた彼女は傘に魔力を通し始めた。


「えーと、『傘、魔法の絨毯』」


 すると傘ははやての手から離れ、布部分と骨組みに分かれた。布は1メートル四方の大きさになりふよりとひざ下ぐらいに浮き、金属部分は柄の部分しか残らない大きさになった。


(柄は操縦桿(そうじゅうかん)、生地とは同期がとれてるから魔力制御によって……こんなかんじ?)


 大きさ、厚さを考え魔力を練る。


「――わぁ!!」
「ちょっと、はやて!」
「……ちゃうんよ、この傘変換効率がものすごいねんて!」


 込めた途端に15メートル四方まで広がり、厚さも絨毯とは呼べないものになった。


「ただ込めるのでなく、絨毯を鮮明にイメージしてください」
「わかりました。イメージ、イメージ……」


 再び魔力を制御するとしゅるしゅると小さく薄くなっていく。絨毯の色は使用者によるのか白銀色になった。
 こんなもんやろかとちょうど三人乗れる大きさになった。


「ほら、できた!」
「はやてったら」
「ええからええから、乗ってのってー」
「う、うん」
「わかりました」


 フェイトたちは頷くとはやてを先頭に絨毯に乗る。三人は立った状態で、はやては進行方向を向き、後ろに二人は横に並んでいる。ちなみに靴は履いたままである。


「すごいふかふか」


 はやてはしゃがみ絨毯をなでている。


「イメージがうまくいっているのだと思います。人の想像をより鮮明に具現化できる機構が組み込まれていますので」
「私が考える絨毯ができたということやんね」
「はい」
「フェイトちゃんが絨毯を作るとまた違う絨毯が具現化されるということなん?」
「そうなります」


 具体的な原理の説明をはやては断り、いよいよ飛行に移行する。


「はやて、気をつけてね」
「わかっとるわかっとる」


 依然としてまだ任務中であるが機能のそのものと魔力制御の難しさが心地よく、こみ上げてくるものがあった。


「いくで」


 そう言うと魔力を練り上げる。すると、


「テスタロッサ・ハラオウン執務官、失礼します」
「へっ?――ひゃうっ!」


 いち早く何かに気づいたコタロウはフェイトのほうを向き右手で彼女の腰に手を回し引き
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