暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第38話 『絨毯の上で』
[4/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
息を漏らす。
 衝撃部分に目をやると、栗毛色と金色の髪がなびいているのが見えた。
 地面近くの視界からまた遠のき一定の高度をとった。


「八神二等陸佐、テスタロッサ・ハラオウン執務、官?」


 そして、腹部から正面へと向きを変えると、


「高町一等空尉」


 がこちらを見ていた。






△▽△▽△▽△▽△▽






 地上に降ろされた後、コタロウは二人から離れ敬礼をした。


「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」


 なのはは眉を寄せた顔を見せたが、フェイトとはやてはコタロウから離れたときに髪を乱して前にかかっていたため表情は読み取れなかった。


「着地してからご報告をすれば――っ!」
「どうせ、報告優先にして自分のこと後回しにしたんやろ」
「……」


 コタロウははやてからは額に手刀を、フェイトからは無言のままジロリと睨まれた。
 今回の救助は確かにコタロウの不手際であり未然に防げるものであるが、自分の危機的状況ににも関わらず無表情であったことに彼女たちの怒りに触れたらしい。
 数秒間はやての手刀とフェイトの睨みが続くと、二人とも大きくため息をついて仕方ないとあきらめた。


「とりあえず、なのはちゃん」
「うん?」
「病院にいってきてええよ。こっちは私がなんとかしておくよ」
「あ、はやて、私も」


 二人とも頷いてなのはの背中を押すと「じゃあ」とまだ飛行許可が下りているのを利用して飛び立っていった。
 それを見送った後、コタロウは地面に落ちた工具を拾いに行き移動できる準備が整うとはやては「さてどうしようか」とフェイトを見た。


「歩く?」
「ヘリがくるまで待ってるというのもあるけど」
『うーん』


 彼を抱えて移動するというのもあるが、多くの工具をしまいこんだ彼の体重は明らかに重くなっており、抱えるのは不可能である。
 ふとはやては一定の距離をおき待機体勢でいるコタロウをみると腰のものが目に入った。


「そういえば、まえシャリオから聞いてたけどその傘――(にわたずみ)――に魔法の絨毯(マジックカーペット)という機能が……あかんか、魔力使えないから考えとるんやし」


 この前彼のデバイスにおける説明を受け、その中に魔法の絨毯という項目があったのを思い出した。しかし、使用者の魔力がないのに発動することはできないことにも気づきまた考え直そうと目を閉じたが、そのはやての言葉にフェイトもひとつ思い出したことがあった。


「シャリオに渡したみたいに権限付与すれば私たちでも使えるんじゃないかな」


 訓練の休憩中に何度かスバルやキャロに権限を付与して傘で建物から降りるところを
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ