暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第38話 『絨毯の上で』
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 そういってシャリオは彼に連絡をとろうとしたときに一本の通信が通信室に届いた。ちなみにランバーが(アンブレラ)をアナグラムさせたというのは余談である。


「砲撃者たちの行方が消失したことにより、コードネーム・ランバーより戻します。カギネ三等陸士です」
「あ、コタロウさん、今ちょうど連絡をとろうとしたところなんですよ」
「報告が遅くなり申し訳ありません」
「大丈夫です」
「ネコ、おまえ無事か?」
「現在、死傷者ゼロです」
「――ったく。なんでそういう言い方しかできねんだよ」


 通信のつながっていたヴィータも割り込んできた。


「それでは報告いたします」


 コタロウはバリアジャケットのまま報告を始めた。


「相手兵器は距離、砲撃までの出力時間、到達速度、威力は――」


 彼は資料の送信を行った後、自分自身が体験したもの映像から読み取れるものの話を始める。口頭で述べられているものは省かれているところがあるが、送られてきた詳細、調査報告は細部まで綿密に書かれており、これ以上の要求がないところまでなされていた。そしてなによりそれがリアルタイムで目の前で追記されていることに目を見張った。とくにアルトは彼と行動をともにすることがほとんどなく、あっても出来上がったものを見るだけであったのでコタロウのキーボードタッチの早さに開いた口がふさがらなかった。また、機械士として知っているシャリオは速さで驚くことはなかったものの、速さに対する正確さにはアルトと同じ態度であった。


「――以上です」


 初めてその光景を目にした者も含めその場にいる全員が凍りついたように静かになった。あえて態度を崩さなかったの者をいうのであれば、新人たちの訓練時に一番近くで報告をうけとっていたなのはくらいである。シャリオももちろん近くにはいたが出来上がった資料を渡されることのほうが多かったために実際の彼の情報処理能力をはっきりと目の当たりにしたのは今日がはじめてだったのかもしれない。彼の処理能力に嫉妬はしていたもののどこかで負けてはいないと思っていたが、今回の件を経てそれらがすべて打ち砕かれたようだった。
 ただ、今は仕事に徹しなければならないのでその感情を押し込んで、


「ありがとうございました」


 報告に対する返答をした。


(でも、どうしてこんなときだけで、普段脅威に感じないんだろう?)


 息を吐きながら感情とは別に考える。見た目はひどく頼りない、いやおっとりしているように見えるからだろうか。と。


「なぁ、ネコ」
「はい」


 そう考えるなか、ヴィータが何かに気づき話しかけた。


「なんでお前、傾いてるんだ?」


 そういわれ周りの人たち
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