第二章
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「そうだったのよ」
「ううん、じゃあ赤ちゃんの頃から観てて」
「好きだったのよ」
「その頃からアイドル好きだったのね」
自分で言う郁美だった。
「そうだったのね、私って」
「私よりはしゃいでいたし」
赤ん坊の頃の郁美はというのだ。
「ダンスとか歌とかね」
「あの衣装も」
アイドルのステージ衣装、独特の派手さを持つそれもとだ。郁美は自分から言った。
「好きだったのね」
「本当にね」
「ううん、何か」
母の話を聞いてまた言う郁美だった。
「私のアイドル好きは筋金入りだったのね」
「英才教育ね」
「そうよね」
「もっとも私のアイドル好きはね」
「それはどうしてなの?」
「八十年代だから」
母が子供の頃はというのだ。
「その時は聖子ちゃんや明菜ちゃんで」
「あの人達の最盛期でなの」
「そう、本当にね」
それでというのだ。
「観ていて痺れて」
「アイドル好きになって」
「あんたに受け継がれたのよ」
「ううん、アイドル好きも遺伝するのね」
「歴史があってね」
「そのことがわかったわ」
しみじみとして言った郁美だった。
「私自身ね」
「それで今もよね」
「ええ、わかったからっていってね」
「あんたのアイドル好きは止まらないわね」
「好きになった理由はわかったからそれでいいわ」
それはそれでというのだ。
「じゃああたらめてね」
「アニメ観てそうしてよね」
「実際のアイドルも観ていくわ」
「それでこそ私の娘よ」
母はアニメでのアイドルを観続ける娘に笑って言った、アニメのアイドルも派手な衣装を着て歌って踊っていた。そしてそのアニメを観てだった。
郁美は次の日カラオケボックスでそのアニメの主題歌を歌った、そのうえで一緒にいる友人達にこんなことを言った。
「私がアイドル好きな理由もわかったし」
「いや、お母さんもそうで」
「赤ちゃんの頃から観ているからだったのね」
「それで好きだったのね」
「そうだったのよ、学校で話したけれど」
それで放課後の今はカラオケボックスで歌っているのだ。
「よくわかったわ、じゃあこのままね」
「アイドル好きの理由はわかった」
「それならそれでよね」
「このまま応援も続けていく」
「そうするのね」
「ええ、アイドル大好きなのは変らないから」
好きになった理由はわかったがだからといって大好きであることは決して変わることがないというのだ。
「だからね」
「応援していって」
「楽しんでいく」
「そうしていくのね」
「そうしていくわ、じゃあ次に私が歌う曲入れるわね」
自分の順番の時にというのだ、その曲を入れてだった。
郁美は友人達と共に笑顔でアイドルのことを楽しんでいった、まさに根っからのアイドル好きとして。
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