第一章
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アイドル好き
日本橋郁美は女の子であるがアイドル好きだ、それでカラオケで歌う曲も携帯の着信音もダウンロードする曲も全部女性アイドルのものだ。
その彼女にだ、友人達はよくこう言っていた。
「郁美ちゃんってアイドル好きよね」
「それも女の子の」
「色々なグループも知ってるし」
「地下アイドルやろこドルもチェックしてるし」
地域それぞれのアイドルもというのだ。
「完全にアイドルマニアね」
「本当にアイドル好きね」
「うん、実際ね」
郁美自身もこう答える、この時彼女は自分の席で雑誌を開いてアイドルのスケジュールをチェックしていた。
「大好きよ」
「何かもう趣味というか生きがい?」
「アイドルのおっかけとか曲聴くのが」
「カラオケだってそうだし」
「女性アイドルばかりだから」
「というか何でそうなったのかしら」
「どうしてかしら」
好きになった理由を聞かれるとだ、郁美もだった。
微妙な顔になってだ、こう友人達に答えた。
「どうもね」
「自分ではわからないの」
「そうなの」
「これがなのよ」
実際にというのだ。
「わからないの」
「どうしてアイドル好きになったか」
「それはわからないのね」
「そのことは」
「子供の頃から好きだったから」
そして今もというのだ。
「何か気付いたらというか物心ついたら」
「アイドル好きで」
「それがどうしてかまではわからない」
「そうなのね」
「そうなの、けれど今もね」
今現在もとだ、アイドルのスケジュールをチェックしつつ言うのだった。
「こうしてね」
「アイドルのこと見てるしね」
「それも真剣に」
「スケジュールまでチェックして」
「それは変わらないわね」
こう言ってチェックを続ける郁美だった、だが自分でもどうしてアイドルが好きになったのかが気になった。
それでだ、家でアイドルもののアニメを観ている時に家事をしている母親に対してこんなことを聞いた。
「私アイドル好きよね」
「女の子のね」
葉青やも娘の趣味は知っているのでこう返す。
「大好きよね」
「どうしてこうなったのかしら」
こう聞くのだった。
「お母さん知ってる?」
「知ってるも何も」
「何もって」
「お母さんもそうだし」
「あれっ、そうなの」
「そう、お母さんもね」
家事をしつつ娘に笑って答えるのだった。
「そうだしね」
「そうだったの」
「今もそうだし」
「じゃあ私がアイドル好きなのは」
「お母さんの影響よ」
今度ははっきりと言ってきた。
「そうなのよ」
「そうだったの」
「あんたが物心つく前から一緒にアイドルが出てる歌番組観てたしアニメもね」
「今みたいになの」
「そう、観てたから」
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