第一章
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迷路巡り
鶴橋すずは迷路を巡るのが好きだ、とかく入り組んだ場所を進んでそうしてゴールまで到着するのを楽しみにしている。
その彼女にだ、兄がこんなことを言った。
「御前迷路好きだよな」
「テーマパークに行ったらいつも行くしね」
すず自身こう兄に答える。
「それはね」
「そうだよな、迷路の本もよく買うしな」
自分で巡るだけでなく解くのも好きなのだ。
「本当に迷路好きだな」
「子供の頃からよね、やるゲームもダンジョンもの好きだし」
RPG等だ。
「3Dでも上から観る形のも」
「ウィズとかドラクエだな」
「FFもね、とにかくゲームでもそうだし」
「本当に根っからの迷路好きだな」
「ええ、けれどそれがどうかしたの?」
「いや、大阪にも迷路が多いだろ」
ここでこんなことを言った兄だった。
「大阪自体にな」
「えっ、そうなの?」
「大阪は全体的に街が入り組んでるだろ」
兄がここで話したのは大阪自体のことだった。
「道の広さもばらばらであちこちに入り組んでいてな」
「そういえばそうね」
すずも言われて頷く、彼女が知っている場所も全てそうだ。
「大阪は」
「だからだよ」
「大阪自体が迷路っていうの」
「あちこち回っても面白くないか?」
「例えば何処?」
「鶴橋駅の下とかな」
近鉄のそこだというのだ。
「あそこの大きな商店街な」
「そういえばあそこは」
「凄いだろ」
「冗談抜きで迷路ね」
「あそこもそうだし梅田の地下街もだろ」
あちらもというのだ。
「それに天下茶屋とかな」
「ううん、あそこも入り組んでる感じだし」
「本当にあちこちがだろ」
「大阪は迷路っていうのね」
「そうした場所を行ってもいいだろ」
妹にこうして話していく。
「そう思わないか?」
「そうね、じゃあね」
「ああ、行っていくか?」
「そうしてみるわ」
「そこで色々な店もあるしな」
鶴橋のことも思い浮かべながらだ、兄は妹に話した。
「そうした場所に行くのもいいだろ」
「お金があればね」
「なかったらなかったでいいしな」
ただ巡ってもというのだ。
「楽しんで来いよ、ただ安全には気をつけろよ」
「入り組んだ街だとね」
「変な奴が出て来たらな」
「捕まったりするからね」
「だから友達何人かと一緒に行ってな」
言いつつだ、兄はすずにあるものを出した。それはというと。
特殊警棒とスタンガン、そしてブザーだった。そうしたものを出してそのうえで妹に対して言うのだった。
「自分の身もな」
「守れっていうのね」
「ああ、そうしろ」
妹にそうしたものを出して言った、そして妹もそれ等の護身具を受け取ってだった。街の散策やショッピングに興味がある
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