暁 〜小説投稿サイト〜
シベリアンハイキング
タルクセナート
灰かぶりの通り

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翌日、フズルチルの町を歩くユスフの姿があった。時刻は正午を回った頃で、本来なら日が高く昇る頃であるが、この町の地面に光が届くことは稀であるように思われた。晴れているとはいえ、常に上空には薄い霧がかかり、太陽を遮る。炭鉱の採掘の作業場、精製工場からの容赦ない大量の排煙が、町の四方から絶え間なく立ち上ぼっていた。中央の通りには相変わらず作業場へ向かうと思われる人々がごった返し、道路は運搬用の車両が何台も連なって走っていた。道の脇に目をやれば、浮浪者が一定間隔で地面に座り込んでいる。この町では人々から車まで、皆すすで汚れていた。
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