<フードを被った女子生徒の場合>
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時刻は7時45分、真面目で勤勉な生徒達が登校してくる時間です。
この時間帯に登校してくる生徒達は基本いい子達で手のかからない生徒が多いのですが…
「あー!! 見てくださいっ会長! あの生徒!!」
「あの生徒…?」
という後輩の足田さんが指さす方向を見ると
「…………」
フードを深く被って顔を隠した女子生徒の姿がありました! うちの高校には制服を着崩していいという校則はありません!
校則を破る生徒…つまり……不良!? あのフードを被った女子生徒は不良なんですね!!
生徒が間違った道に進んだなら、それを正しい道に戻すも生徒会長の仕事です!
「ちょっと待ちなさい! そこの不良生徒さん」
「…………」
無視!? こちらが話しかけているのに無視ですか!? さすがは不良生徒ね! でもそんなことで私は挫けたりしないわ!!
「フードを被っている貴女の事よ、不良生徒さん」
「………? ………もしかして、僕のことかい?」
「もしかしなくても、貴女のことですって……緑屋さん?」
フードを被った不良生徒さんはクラスメイトの緑屋詩緒さんでした。
真面目で大人し系、成績も優秀で先生からの評判も高く、フードを被って登校することを唯一許された女子生徒。
そういえば、千代紙さんとよく一緒にいるところを見かけるけど、こうして面と向かって話すのは初めてね。
「……君も知っている通り、僕のフードは先生達からも許可を貰ってる。
だから通してもらえ…「いいえ! 駄目です!」えぇ〜」
そんな捨てられた子犬のような顔をしても駄目です! ……でも可愛い……かも。
「先生に許可を頂いていると言っても校則違反は違反です!
さ、フードを取ってください!!」
緑屋さんのフードを取ろうと、フードに手をかけたところ
「高浜さん……」
ガシッと力強く手首を握り締められました。…華奢でひ弱そうな緑屋さんのどこにこんな力が…?
「僕のフードを取らないでくれないかな? ……とりま、殺されたいの?」
ヒュゥゥゥゥゥウウウ!!!
夏の終わり、まだ暑い日が続く毎日ですが、何故か一瞬背筋が凍る冷たさを感じました……。
「大丈夫っす? 会長!!」
「ハッ!? 私はなにを…?」
「緑屋先輩にやられたっですよ! 会長、ポケッと突っ立ってたっす」
記憶がない…。自分が何をしていたのか全然思い出せない…。
「ごめんなさい。ちょっと私…保健室で休んできます…」
「会長ーーー!!!」
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