ペルソナ3
1829話
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だと、別にあの男もゆかりを女として口説こうと思っていた訳ではないらしい。
何故なら、俺の方に近づいてくる男は満面の笑みを……それこそ、ゆかりと話していた時と比べても、より好奇心に満ちた笑みを浮かべていたのだから。
「君がアクセル・アルマー君だね。他の人達から話は聞いてるよ。僕は幾月修司。月光館学園の理事長をさせて貰っている。それと、シャドウや影時間の研究もね。昨日は色々とあって君達と会えなかったが……それが非常に残念だよ」
そう言いながら手を出してくる男……幾月の手を握りながら、その言葉に理由もなく嫌悪感を抱く。
別に、何か言葉遣いに不快なものがあった訳ではない。
そもそも、そういう意味では俺の方が言葉遣いは悪いだろう。
だが……そう、何となくスパロボOGs世界のアーチボルドに似た何かを感じるのだ。
ただ、アーチボルド程に不愉快な男ではない。
……まぁ、アーチボルド級の男がその辺にそうほいほいいたりすれば、それはそれで大変だろうが。
もっとも、不快感を覚える理由は分からないのだが。
そもそも何か理由があっての感じではない。
そうである以上、こちらも何の理由もなしに、向こうを敵視する訳にはいかないだろう。
「もうこっちの名前は分かってるようだが、アクセル・アルマーだ。そっち側と協力関係を結べるのなら、これからも会う事になるだろうな」
「勿論、歓迎させて貰うよ。ただ、僕としては出来ればペルソナ使いという貴重な人材は皆が纏まって行動して欲しいところなんだけど……どうかな?」
「残念だが、それは止めておいた方がいいだろうな。お互いに色々と事情もあるし」
「うーん……聞いていたけど、やっぱり駄目なのか。じゃあ、住む場所はどうかな? それなら、別に一緒に行動しなくても、お互いに情報交換しやすいし」
「桐条からも同じ提案をされたけどな、残念ながら断る」
「そうかい? 僕としては是非検討して欲しいんだけどね。健康に気をつける為にも。……ぷっ、くくっ!」
うん? 何だ今の?
「『けんとう』と『けんこう』……ふふ、どうだい? 今のは結構渾身の出来だったと思うだけど」
「……荒垣?」
目の前の人物の様子に荒垣へ視線を向けるが、その視線はそっと逸らされる。
「桐条?」
ならばと桐条に視線を向けると、桐条は申し訳なさそうな表情で口を開く。
「その、だな。理事長はちょっとした癖のようなものがあって……」
「それが、つまり今の駄洒落だと?」
「……」
無言で頷く桐条。
「あれ? どう、今の。結構面白かったと思うんだけど」
「……」
俺がこの男から感じた不快さは、気のせいだったのか?
ふと、そんな風に思う。
もっとも、今のところは特にこの男をどう
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