ペルソナ3
1829話
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ない。こっちも別に真田に対して悪感情を抱いてる訳じゃないからな。程々にしておくよ」
「……ああ」
それだけを告げると、俺は荒垣と共にボクシング部の部室に入る。
すると中では、リングの上で軽く身体を動かしている真田に、リングから少し離れた場所に桐条とゆかりが……そしてもう1人、初めて見る男の姿があった。
茶髪の長髪と眼鏡が特徴的な、線の細い男。
ヒョロい……と言うべきか?
そんな感じの男が、ゆかりに向かって何かを話し掛けているところだった。
「岳羽さんには、お世話になってね。もっとも、当時の僕はまだまだ下っ端で、岳羽さんとは殆ど話したことがなかったんだけど」
「……は、はぁ……」
食い気味に話し掛けてくる男に、ゆかりはどこか数歩引いた様子を見せる。
だが、男の方はそんなゆかりの様子に構わず、色々と話し掛けていた。
最初はナンパか何かかとも思ったが、ゆかりの父親について知ってるという事は、全くの無関係という訳でもないんだろう。
「あの男は誰だ?」
「ん? ああ、理事長だ。シャドウや影時間についての研究者でもある」
荒垣に尋ねると、あっさりとそんな言葉が返ってくる。
あー……なるほど。そう言えば、昨日桐条と話していた時に、理事長からの了解を貰えれば云々とか言ってたか。
だとすれば、やっぱり関係者であるという判断で間違っていないのだろう。
ただ……何だ? 何だか微妙に気にくわないというか、そんな感じがする。
多分、ゆかりが嫌がっているのに強引に話し掛けているせいだろうけど。
だが、それも無理はない。
そもそも俺達のパーティは俺、ゆかり、荒垣の3人。
そのうち荒垣は元々桐条達のパーティに所属していた人物であり、理事長にとっても顔見知りだろう。
で、当然のように顔見知りであれば、荒垣が色々と頑固なのも理解している筈だ。
それこそ、今すぐにでも桐条達と一緒に行動しろと言っても無駄だろう程には。
そんな荒垣に比べると、ゆかりは全く未知の人物だ。
ここで口説き落として自分達のパーティに引き込む……そこまではいかなくても、友好的な関係を築いておきたいと考えても不思議ではない。
ましてや、あの男の言葉が真実であれば、ゆかりの父親の同僚……知り合い? そんな感じだったらしいし。
そういう意味で縁のあるゆかりと話そうとするのは、間違いじゃないだろう。
……ゆかりは月光館学園でも人気があるらしいから、意外とそっち方面で、という可能性もあるかもしれないが。
「アクセル!」
そんな中、ゆかりが部室に入ってきた俺の姿を見て声を上げる。
そうして男の方もそんなゆかりの言葉に俺の方を見て……笑みを浮かべながら近づいてきた。
うん、あの笑みの様子を見る限り
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