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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
814部分:第六十六話 バイスとマチュア、闇の中で話すのことその四

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第六十六話 バイスとマチュア、闇の中で話すのことその四

「近衛の者達だけではです」
「不十分だと申すのか」
「はい」
 まさにだ。その通りだというのである。
「数が足りませぬ」
「宦官達を捕らえるだけじゃぞ」
 何進はいぶかしむ顔で述べた。
「それだけじゃが」
「兵は多い方が宜しいかと」
 策士の顔を作っての言葉だった。
「ですからここはです」
「より多くの兵をか」
「はい、都に集めましょう」
「しかし。都におるのは近衛の者達だけじゃぞ」
 何進が直接率いている。彼女の意のままになる兵達だ。
「さらにと申すと」
「牧達の兵を集めましょう」
 具体的にはだ。それだというのだ。
「そうしましょう」
「あの者達の兵をか」
「はい、袁紹殿や曹操殿達がいます」
 まず挙げられるのは何進の両腕とも言えるこの二人だった。
「袁術殿や孫策殿もおられますね」
「確かにのう。あの者達の兵は多い。それにじゃ」
 ここで何進も話す。
「徐州に劉備も入ったしのう」
「彼女達の兵を集めてはどうでしょうか。とりわけ」
「とりわけ?」
「擁州の董卓殿です」
 司馬慰が挙げたのはこの者のことだった。
「あの方の兵は如何でしょうか」
「董卓か」
「猛将呂布もいます。あの天下随一の武勇を誇る」
「何でも相当な強さだそうじゃな」
「しかも兵も精強です」
 それもあるというのだ。
「今現在内政に多忙な他の牧達とも違い擁州は治まっていますし」
「呼びやすくもあるな」
「はい、ですから董卓殿で如何でしょうか」
 あらためて彼女が推挙される。
「おまけに兵も多いですし。どうでしょうか」
「別にいらぬと思うが」
 しかしだ。何進はまだこう言うのだった。
「大袈裟に兵を都に入れるのものう」
「十常侍達は油断できないかと」
「それもわかっておる」
 そのことはだ。彼女自身が最もよくわかっていることだった。だからこそ今も司馬慰の言葉を聞いてだ。考える顔になって話をするのだ。
「だがのう」
「止められますか」
「しかし。それでもだというのじゃな」
「はい」
 司馬慰も引かない。どうしてもだというのだ。
「是非共」
「そう言うか」
「それでどうされますか」
「猶予はならんしな」
 帝の崩御は間近い。それではだった。
「では。ここは」
「はい、ここは」
「呼ぶとするか」
 何進もだ。遂に決断した。
 そのうえでだ。司馬慰に対して述べた。
「董卓をな」
「はい、それでは」
「出来るなら曹操か袁紹を呼びたいのじゃがな
 これは何進の望みに他ならなかった。
「あの者達は部下の者達までよく知っておるしのう」
「しかし将軍」
 司馬慰は誠実の仮面を被って彼女に述べた。

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