精神の奥底
69 希望の末路
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優しさも知らず、不条理な暴力と孤独、そしていつ人間で無くなってしまうか分からない恐怖の中で苦しむ人々を救い続けたのだ。
そんな誰よりも強い心を持った彩斗がここで終わるとはアイリスにはどうしても思えなかったのだ。
もちろん、こうあって欲しいという理想論だと言われれば反論できない。
「……サイトくん」
アイリスは僅かな希望に縋るように彩斗の手を握る。
「点滴を続けたまま部屋に移しましょう。残念ながら今の私たちが彩斗にしてあげられることは何もないわ」
それに対し、ハートレスは現実を受け入れていた。
本当はアイリス同様に心の何処かでは彩斗が目を覚ますのではないかという希望を持っていた。
だがそんな希望にこれまで何度も裏切られてきた。
そして悟った。
現実を受け入れなければ前に進めないと。
何度も何度も希望を抱いては、かけがえのない人も自分自身の愛も何もかも失った。
その忘れることのできない記憶がハートレスに現実を受け入れさせていたのだった。
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