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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
68 反撃の狼煙
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その頃、WAXAニホン支部は混乱状態だった。
デンサンシティで民間人がジャミンガーとなって暴れるという事件が複数で同時発生し、収拾に追われていた。
唯一の救いは未だ被害は街全体のほんの一部に留まっており、中央街や臨海副都心エリアといった都市機能を直接的に担う拠点では無傷であることくらいだ。
かといって、現地の警察では対抗できない上、新たなるサテラポリスのトップはまるで事件を解決する気が無いのか、まともな指示を出さない。
Valkyrieの動きをまるで黙認しているかのようだった。
更に質が悪いのが、自分で命令しておきながら、何か起こると周囲に当たり散らすことだ。
指揮官としての能力に疑問があるのは誰もが感じていたものの、流石にこのような状況の中では全く笑い話にもならない。
まだValkyrieを相手にするどころか、彼らの客とすらまともに相手にできていない始末だ。
Valkyrieを相手にするというスタートラインに立つには、一刻も早く指揮系統を正常化する必要性を誰もが感じていた。

「リサさん、終わりましたぁ……」
「ご苦労様。こっちも今、ちょうど終わりました」

そんな中、遅れを取り戻すべく反撃の狼煙が上がろうとしていた。
研究室に笹塚とサテラポリスのジャケットを着た炎山が戻ってきたのだ。

「予定より多少早く終わったな」
「えぇ。でも早ければ早いほど良い。今のサテラポリスとWAXAはまずValkyrieと対等のステージには立てていません」
「遅れが余りにもデカすぎるからな」
「オフィシャルの方はどうですか?」
「一応、この建物の周囲に待機しているのが2チーム。あとデンサンシティに前乗りしているチームが6チーム。既に行動を開始して暴れたジャミンガー数名を確保している。だが手が足りない」

炎山はLumiaで報告を確認しながら、カレラで時間を確認する。
機械式特有の滑らかな針の動きが、刻一刻と失われていく時間を刻んでいく。

「あとはこれをマヤたちに届けるだけです」
「あぁ」
「……」
「……?」

リサが準備したものを皆が一斉に見つめる。
一見、怪しいものには見えない。
味噌汁、紙パックの牛乳、サラダ、ししゃも、ご飯、どう見てもただの食事に偽装してある。
誰もがこれを以ってどうするつもりなのか、疑問を持つ。
しかしそれ以上に問題があった。

「…で?誰が届けるんだ?」
「私はマヤの姉妹ですから、疑われかねないですし」
「オレもさっき管制室で一悶着起こしたから、顔が割れている」
「オレもマヤさんとヨイリー博士の仲間だと思われてるから、届けに行ったら疑われるし…光博士は?」
「光博士はメディアに露出する機会も多いから、サテラポリスの人間でないとすぐにバレます」
「……どうする?」

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