第二十一話 風呂屋での情報収集その四
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「だからな」
「余計にいいな」
「俺も二日酔いには風呂だと思うぜ」
「それが一番だな」
「本当にな」
「うん、僕も死にそうだったけれど」
源三も言う。
「こうしてね」
「酒を抜くにはか」
「やっぱりお風呂だよ、身体も奇麗になるし」
「それもあるな」
「石鹸をちゃんと使ってね」
「そういえばこの世界石鹸もあるな」
「昔からあるよ」
石鹸はとだ、源三は久志に話した。
「僕達の世界でもね」
「ああ、そういえばそうか」
「比較的にね」
「それでこっちの世界にもあるか」
「要するに脂肪に水酸化ナトリウムを入れたものだね」
源三は科学的な話から説明した。
「そうだね」
「ああ、確かにな」
「錬金術の実験の中で錬金術がはじまって比較的初期にね」
「出来たんだな」
「それであっという間に広まったんだ」
そうなったというのだ。
「こっちの世界じゃね」
「そうなんだな」
「それでその分衛生的にいいんだ」
「石鹸で身体を洗ってか」
「あと洗剤もあるし」
石鹸だけでなく、というのだ。
「衛生的には中世の欧州よりずっと清潔だよ」
「そうなんだな、そういえば街並みも奇麗だな」
久志はこのことについても言及した。
「この島は」
「そうですね、それもかなり」
「中世の欧州の街は相当汚かったらしいな」
「不衛生で有名だったね」
「あれだろ、トイレなくて」
久志はその中世の欧州の街の話をした。
「それで道の端とかにそういうのとかゴミを捨ててな」
「それで相当不潔だったとか」
「想像するだけで匂ってきそうだな」
「だからそこからペストも流行ったんだ」
汚物やゴミのところを鼠が走り回りその彼等に付いているダニがペスト菌を持っていたのだ。そしてこのダニからペストが流行したのだ。
「それで欧州は大変なことになったんだ」
「ペストが流行してな」
「もうそれでね」
「人口の三分の一が死んだか」
「そこまでになったんだよ」
「大変な話だな」
「この世界はトイレもしっかりしてるし」
このこともあってというのだ。
「病気もましなんだ」
「成程な」
「さもないとね」
中世の欧州の様ならというのだ。
「とんでもないよ」
「そうだよな、モンスターだけじゃなくてな」
「そっちにもね」
「大変なことになっていたか」
「只でさえ争いも絶えないのに」
人間同士のそれもというのだ。
「それで疫病もってなると」
「地獄だね」
「そう言っていい位だよ」
「そこまではか」
「流石にね」
それこそというのだ。
「酷くないから」
「そうなんだな」
「戦争も当時の欧州みたいに酷くないしな」
智も言ってきた。
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