第百二十三話 ハウステンボスから帰ってその四
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「お金のことも宿泊先も」
「全部ですか」
「八条荘のお金もありましたが」
「ご本家がですか」
「出して下さいました」
「まあご本家からしてみたら」
八条家のだ、言うまでもなく僕もその八条家の一員だ。
「これ位はですね」
「お小遣いのほんの一部です」
「それ位のものですね」
「子供の」
「そうですよね」
世界屈指の資産家だ、ロスチャイルド家やロックフェラー家に匹敵するだけの資産を持っているから凄い。
「八条家からしてみれば」
「総帥様が義和様の最近を聞かれ」
「出してくれたんですか」
「お小遣いということで」
「お小遣いでここまでは」
「お気になさらずに」
「いえ、凄いですね」
普通の感覚でいくとだ。
「何か悪いです」
「ですから総帥様にとってはです」
「お小遣いですか」
「そうしたものなので」
「気にしないで、ですか」
「そうされて下さい」
「だといいですが」
とはいっても気にせずにはいられない、あまりにも凄くて。
「僕普通に暮らしてましたからね」
「止様とご一緒の時は」
「お金はありました」
親父が稼いでいた、このことは事実だ。
「普通に。ですが」
「今回の旅行をお小遣いと言えるまではですか」
「なかったです」
合わせて三十人近くを何日もいいホテルに宿泊させて数日間遊ばせる位にはだ。そんなことはとてもだった。
「数百万位ですよね」
「それ位になりますね、今回の旅行は」
「それをお小遣いなんて」
「ですから総帥様にとっては」
「数百万円もですか」
「それ位です」
お小遣い程度だというのだ。
「ですから」
「気にしないで、ですか」
「楽しまれて下さい」
「そうなんですね」
「はい、それとですが」
「それと?」
「止様もお小遣いを頂いたことがあります」
うちの親父もというのだ。
「総帥様から」
「そうだったんですか」
「はい、ですがあの方は笑って将来の自分の子供に渡してくれと」
「総帥さんに言われたんですね」
「そうされました。自分のお金は自分でと言われて」
「子供、僕にですか」
「そう言われてました」
聞いていて親父らしいと思った、親父は実際お金については無頓着で執着はない。けれど僕については使ってくれる。
「そうしてです」
「ひょっとして」
「はい、今回の件はです」
「親父のその時のですか」
「今お話しますが」
「ううん、そうだったんですね」
「はい、そうでした」
こう僕に話してくれた。
「巡り巡ってです」
「そういうことだったんですね」
「あの時止様は交通事故に遭っていた子供を病院に担ぎ込まれたのです」
「人助けをしたんですね」
「危ないところですがそれでその子供は助かりました」
「そしてそ
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