第四話
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で冷蔵庫って内容量をリットルで表すのかな?分かりにくくない?」
沙紀は中くらいで黒っぽい色の冷蔵庫の前で商品説明を見てそう呟いた。確かに、もっと他に分かりやすい表記とかあったはず…………いや。
「多分、リットルより分かりやすい表記が無かったんじゃないか?」
それならリットルな理由も分かる。
「んー、考えられない話じゃ無いね。後で『調べて』おこうかな。」
沙紀は無邪気に笑った。どーせこいつの『調べる』だからろくな方法じゃねぇな、と勝手に決めつけた。恐らく大きく間違っては無いだろう。
「んで、なんで俺がこんなことに付き合わされてんのか、だいたい予想ができたけどさ。もしかして荷物持ちか?」
だとしたら、正直勘弁して貰いたい。どうやって一人で家具の数々を持つんだよ。
「一応言っとくが、俺には超能力みてぇなもんはねぇからな?アメリカ軍人みてぇな怪力も無いし。」
すると、沙紀はこちらの顔を見て、ニッと笑った。
「大丈夫大丈夫。『貸す』から。」
『貸す』?店のトラックとかか?いやそれなら借りるだろ。
じゃあなんだ?
「そうだねぇ…………『極』でいいかな。となると……………………『右目』かな。ちょっと手貸して。」
何やら物騒なことを言いながら、沙紀は半分無理矢理俺の手を取った。女の子に手を触られるのは生まれて初めてだ。いや、そんなことはどうでもよくて。
「『右目』。」
沙紀がそう言った直後。俺の視界が半分になった。
「!?」
俺は沙紀の手を振り払おうとした。しかし、沙紀は俺の手をしっかりつかんで放さなかった。
「『極』。」
沙紀はそう言うと、俺の手を放した。俺はそのまま後ろに下がり、置いてあった姿見で自分の右目を見た。右目には特に変化は無く、ただただ『視力が無くなった』らしい。
「テメェ……………………何しやがった!」
俺は沙紀を睨み付けながらそう言った。
「あー、だから。『極』を与えるには『右目の視力』が代償として必要なんだよ。用事が終わったら返すから。」
……………………流石に鵜呑みにはできない。恐らく、『極』と言うのは今まで俺が見てきた『能力』で間違い無いだろう。
つまり、俺には今、沙紀の能力である『極』を持っていると、沙紀は言いたいんだろう。
「知らねぇよ!なんだよ『極』って!」
平日のこの時間だからか、沙紀がなにか使ってるのかは知らないが、周りに人はいない。だから、沙紀はこんな提案をした
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