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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第三十六話「ラーの鏡を入手せよ」
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鏡を手に入れる為にとあえてオクラルベリーの町へは寄らずに急ぎ、そして修道院を眺める事の出来る丘の上で馬車を止める。
「さてと、どんな顔で会えば良いかだが……」
「怒っているよね、絶対」
流石に顔を合わせ辛いのか、そうぼやきながら数日振りとなる修道院を見下ろす二人。
「何時までも此処でダラダラしていても仕様が無いな。行こう、ヘンリー」
「そうだな」
カサリッ
「「ん?」」
怒られるのを覚悟で修道院へと進もうとすると背後から何かを落とす音が聞こえ振り向いて見ると。
「リ、リリス」
「マリア」
あの大神殿から共に逃げ出した二人の少女が呆然としながら此方を見ていた。
「あちゃ〜」
「見つかっちゃったか」
ばつの悪い顔をしていると二人共、涙を流しながら駆け寄って来る。
「リュカさーーん!」
「リリス…」
リリスはリュカに抱き付くとその胸をポカポカと叩きながら泣きじゃくり、リュカもその肩を優しく抱いてやる。
「ばかばかばかぁ〜〜。リュカさんのばかぁ〜〜。何で私達を置いて行ったんですか!」
「ごめん。でも此処からは危険な旅だったんだ、だから二人には安全な場所に居て欲しかったんだ」
「私達にだって手助けぐらい出来ます!いくら安全でも二人の事を心配しながら泣いている方がずっと辛かったんだから!」
「そうか、悪かったよ」
そう言いながら頭を撫でてやると漸く落ち着いて来たのか顔を胸に擦り付け、鳴き声も小さくなり、ヘンリーとマリアの方も同様に喧嘩にはならずにすんだらしい。
そしてリュカとヘンリーは塔へと入る手段を聞く為に久しぶりとなる修道院へと足を運ぶのであった。
=冒険の書に記録します=
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