第十一幕:ふたつの虹と太陽と
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七夏「あ、ここちゃー、さっきはごめんなさい」
時崎「俺も、申し訳ない」
心桜「いやいや、あたしが油断してただけだから・・・あいつ、今度会ったらどうしてやろかな・・・」
七夏「こ、ここちゃー! もう・・・」
時崎「しかし、その後の天美さんの対応は流石という感じがしたよ」
心桜「あははっ、あたしに同じ手は通用しないよ。ありがと。お兄さん!」
七夏「ここちゃーの凄いところです!」
心桜「最初から窓が開いてたら、直接スマッシュをお見舞いしてあげる所だったかなー」
時崎「あはは、天美さんらしい!」
心桜「で、気になったのが、なんで首を曲げるだけで、あんなに勢い良く跳ねるのかなんだけど・・・バッタとかが足を使って跳ねるのは理解できるんだけど、あいつは・・・」
時崎「それを説明するには『慣性の法則』から入らないと」
心桜「完成の法則? あいつの技は完成されているという事?」
時崎「いや、その『完成』じゃなくて『慣性』なんだけど、七夏ちゃんは知ってる?」
七夏「はい。なんとなくでしたら」
心桜「わわっ! つっちゃー!!!」
七夏「どしたの? ここちゃー?」
心桜「あたし時間がっ!!」
七夏「あ・・・ちょっと、急がないと」
心桜「お兄さん、ゴメン!」
時崎「え?」
心桜「その、慣性とかはまた、機会があればっ!」
時崎「あ、ああ。別に大した話じゃないから」
心桜「ありがと!」
時崎「天美さん、午後から部活?」
心桜「そっ!」
七夏「柚樹さん。ありがとうございます!」
時崎「七夏ちゃん!」
七夏「はい!?」
時崎「後で、時間あるかな?」
七夏「はい☆ では、あとで、お部屋に伺いますね♪」
時崎「ああ。よろしく」
心桜「???」
慌てて二階の部屋へ戻ってゆく二人を見送る。七夏ちゃんにとって太陽と言える天美さん・・・これは俺の勝手な解釈だが、間違ってないと思う。天美さんと居る七夏ちゃんは、とても自然だ。今朝、俺と玉子料理の話で楽しそうにしていた笑顔とはまた違う。この自然な笑顔を生み出せる天美さんが少し羨ましく思える。俺は、七夏ちゃんの笑顔を撮影したいと思っていた。でも、それは間違いで、本当は「自然な笑顔」を撮影しなければならないと気付かされるのだった。
第十一幕 完
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次回予告
不思議な虹、もっと深く知りたい・・・俺は見えている間に手掛かりを探し続ける・・・。何か共通点は見出せないだろうか・・・。
次回、翠碧色の虹、第十二幕
「お揃いの虹」
少しでも「ふたつの虹」に近づきたい・・・けど、虹は近付き過ぎると見えなくなってしまうので、思うように動けない・・・。
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